終身保険を絶対に転換するな!生命保険の最大の罠!

最初に言っておこう!

終身保険の転換は生命保険会社にとって、達成しなければならない営業目標である。逆ザヤは解決されなければならない経営課題で、それを解消するのが終身保険の転換である。そして、終身保険の転換は生命保険セールス達にとって大きな収入を約束するものであり、終身保険の転換1件に成功すれば1か月の仕事が終わってしまうことすらザラだ。

何を言いたいのかというと、終身保険の転換が、それだけ生命保険の業者側にとっておいしいということだ。業者がおいしいということは消費者にとって不味いということだ。

終身保険の転換が生命保険や生命保険セールスにとって最重要項目であるなら、終身保険を転換しないことが消費者の最重要防衛課題だ。この記事では高予定利率の終身保険が今の経済状況でどれほどありえないレベルですごい契約か解説する。一部の古い終身保険が「お宝保険」などと呼ばれるのは、ひとえにこの予定利率の効果による。全部読めば、生命保険会社が勧めてくる終身保険の転換は全て詐欺的だと警戒できるようになり、金利に対する理解も深まる。

世間で有名な「金持ち父さん」に足を一歩踏み入れることになるだろう。

そもそも終身保険1000万円の保険料ってどうやって計算されてるの?

終身保険という生命保険はほとんど貯蓄のような保険だ。死亡保障が終身(死ぬまで)続くということは、人は必ずどこかで亡くなる以上、解約しない限りは絶対に保険金がもらえるからだ。(もらうのは遺族だが・・・)

よって、終身保険は人間の最高齢の時点で保険金がもらえるよう設計されている。例えば最高齢を110歳と設定すれば、30歳で1000万円の終身保険に加入すると、80年の長い間、毎年保険料を定額で積み立て、運用利率(ほぼ予定利率)を加味して110歳の時点で1000万円貯まるよう保険料が計算される。(実際には110歳の前までに亡くなる人が大半なので、途中で1000万円保険金を支払わなければならないので、その計算も入る。)1か月あたりの保険料を決める要素は、人がどれくらいの確率で亡くなるかと、予定利率だけだ。(保険会社の経費は無視する)

生命保険は110歳になる前に亡くなる人へ1000万円支払うことも考慮しなければならいので、ややこしいため、単純に30歳から110歳までの80年間で貯金をして110歳の時点で1000万円貯まっているようにするために毎年いくら積み立てればよいか計算しよう。そうすれば、予定利率(運用利率)の違いの効果だけが分かる。

かなり乱暴だが、終身保険の保険料は大部分がこの計算で行われている。少なくとも予定利率の変化がどれくらい威力があるか知るにはちょうどよい。

80年で1000万円の貯蓄を運用利率ごとに比較

さて終身保険を含む生命保険の予定利率は契約時に約束した固定利率なので、ここで検討する利率も80年の固定利率でよい。それでは毎年定額を積み立てた場合、運用利率の違いによってどれほど差がでるか見てみよう。

次の係数は専門用語(とは言ってもFP2級レベルの知識だが)で学校のテストにもでないので覚えなくてよい。
念のため計算根拠を示すのと、私を専門家風に見せるためである。
計算には減債基金係数と呼ばれるものを使う。

毎年の積み立て額 = 目標金額 × 利率 ÷ ((1 + 年利率)^年数 - 1)

この式に目標金額1000万円、年数80年、利率が0%、1%、3%、5%の場合の結果を示したのが下の図だ。

終身保険の利率による積立額の違い

終身保険の利率による積立額の違い

 

支払い総額を見ると差は歴然だ。
これはあくまで貯蓄の場合としたシュミレーションだが、終身保険の場合でも負けず劣らずの違いがでる。
以下に利率が高いことが有利かよくわかるだろう。

終身保険は紛れもないお宝

今の時代で5%の運用利率で回そうと思ったら、不動産投資をするか高金利通貨の投資でもするか、いずれにせよかなりリスクの高い投資をしなければならない。その点、古い契約の終身保険や年金保険は固定利率でほぼ元本が保証された形の金融商品だ。直ちに役にたつ保険ではないが、もう今の時代では手に入らない貴重な骨董品と思ってもらってよい。

『価値が上がり続けるとわかっている骨董品を売れ!』などと言われたら誰だってふざけた話だと分かるだろう。

古い終身保険を転換するということは、それくらいありえない行為だと思ってもらってよい。

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