生命保険会社はあなたの古い契約を狙っている。
転換させて、自社の出血を止めようとしているのだ。
古い高予定利率の年金保険や終身保険の転換は、ただでさえ多い生命保険の転換トラブルの原因の筆頭格である。
「逆ザヤ」に苦しむ生命保険会社があの手この手で、あなたの「お宝保険」を消滅させようとしている。
彼らがどんな手口で、なぜこんなに「逆ザヤ」解消にこだわるのかは以下の記事を参照されたい。
ここでは、「逆ザヤ解消」にこだわる保険会社が、契約者に転換を勧め、いったいどんな罠を張っているのか見ていきたい。
「お宝保険」の「転換」=「トラブル発生」と言えるほど、消費者にとって抑えて置かなければならない事柄だからだ。
高予定利率の生命保険を転換すると起こる、恐ろしい事態!
まずは転換の基礎を抑えておきたい。
転換とはすでに契約している古い契約を下取りし、新しい契約の保険料の支払いを軽減する機能がある。
解約して、新規に加入するのとそれほど変わりないように見えるが、転換の場合メリットが2点ある。
ここでは詳しく触れないが、興味のある人は次の記事を参照してほしい。
さて、『古い契約がなくなり、新しい契約が始まる』ということで、重要なことがある。
予定利率が変わることだ。
かなり簡単に言うと予定利率とは、保険会社が決めている保険料の割引率のことだ。予定利率5%の契約と、予定利率0%の契約では、支払わなければならない保険料にかなりの差がでる。20年、30年と長期の契約になるほど、差が大きくなる。
終身保険などだったりすると、支払う保険料が2倍、3倍の差が出たりするのだ。
まったく保障内容などの条件が同じ1000万円の終身保険の場合、予定利率が5%なら300万円の保険料でいいのに、予定利率が0%だと1100万円払わなければならない!といった具合だ。
一般に高予定利率であるばあるほど、契約者にとっては有利だ。
生命保険のセールスは平気で予定利率が変わることを隠す!
転換時に予定利率などが変わることを説明することは、生命保険のセールスにとって義務となっている。
しかし、その義務を平気で放棄し、予定利率が変わることを隠すセールスがとても多い。
真面目に高予定利率が低予定利率に変わることを説明したら、誰も転換などしないだろう。
しかし、口で説明せずとも説明したことになっているのだ。
生命保険会社の超悪質な罠!契約概要、注意喚起情報に意向確認書!
生命保険を販売する際に必ず顧客に交付しなければならないものとしてあるのが、契約概要、注意喚起情報(重要事項説明書などとも呼ばれる)の2つだ。
これらは顧客に交付しなければ明確に法律違反である。これらの書類に転換時の注意や、予定利率の変化などについて記載がある。しかし、だれも顧客は誰も読まない。読み込むための知識がないからだ。サッカー用語を全く知らず興味もないのに、サッカー雑誌を読むのは苦痛だろう。
そして、生命保険会社が仕掛ける超弩級の罠が意向確認書と呼ばれるものだ。
この意向確認書は設定された質問に対して『はい』『いいえ』を答えていく簡単なものだ。簡単だが、この書類は保険会社にとって超重要書類となる。意向確認書は次のことを顧客に『はい』と言わせたことを証拠として残すことを目的としている。
『あなた(顧客)は、生命保険会社から加入する契約について間違いなく説明を受け、すべての内容に納得して加入することに同意しました。』
これはとんでもない書類だ。
この書類にあなたがすべて『はい』と答え、署名して契約が成立すると、あなたは『そんなことは聞いていない』と言っても、契約上・書類上は『納得して加入した』ことになっているのだ。
あなたが訴訟を起こしても、この書類があなたの主張を説得力ないものにする。
『高予定利率が低予定利率になるなんて聞いていなかった!転換を取り消したい!』
などと言っても、それが認められることはほとんどない。
このようなトラブルは非常に重大なトラブルなのだが、裁判に訴える労力、費用から、結局顧客側が泣き寝入りをすることが多い。訴訟を起こしても勝てるとも限らないのだ。
これのような事態を避けるにはどうすればいいのか。
生命保険会社のセールスなどの言うことなど一切無視すればよい。
あなたが高予定利率契約を持っている場合、セールスたちは転換してもらいたくてたまらないのだ。
高予定利率の終身保険1000万円を1件全部転換でもさせられたら、小さい営業所なら1ヶ月の営業ノルマの3分の1くらい終わってしまうこともある。もちろんセールスたちの見入りもそれに比例して大きい。
場合によってはその一件の契約だけで30万円くらいの収入になったりする。
たった1件で!!
しかし、ここまで読んだあなたは、もう高予定利率の契約の転換話なのに乗ることはないだろう。
もはや転換に関して注意すべき点を、あなたは十分に学んだのだ。
あなたはすでに転換に関してはそこらのFPと同等レベルの知識を持った。
さらに多くの知識を吸収して生命保険のセールスや、FPなど必要ないくらいに知識を学んでほしい。