生命保険の転換における1つしかないデメリット!ただし非常に強力!

意外と思われるかもしれないが、生命保険の転換制度を利用するデメリットはたった1つしかない。

多くのFPが得意顔(ネット上なので本当に得意顔かは知らないが)で転換におけるデメリットを解説しているが、たいていは一面的な解説だ。この記事ではそのあたりも解説していくが、私が言いたい生命保険の転換におけるデメリットは次のたった一つだ。

生命保険の転換を利用すると騙されるリスクが上がる

生命保険はとにかく分かりにくい商品だ。
その分かりにくさによって、世間では生命保険の契約トラブルが絶えない。

新規契約でも生命保険のトラブルは多い。
しかし、転換を利用した場合のトラブルの確率はさらに上がる。
なぜなら、転換制度はただでさえ分かりにくい生命保険に、前の契約からどのように変化したのかという観点が加わり、分かりにくさを増す。
似たような保険でも約款レベルでは細かな変更があったりする。

『前の契約ではA手術は支払い対象だったのに、転換後では対象にならない。そんな説明は受けていない』

これがトラブルになったりする。

生命保険の転換をしたら騙された!?

細かな約款変更レベルまでセールスは説明しないし、その能力もない。
つまり、新しい保険に見直すということはそれだけ必要な説明を受けられないリスクが高まるのだ。

もうひとつ厄介な問題が、転換時にある古い契約の下取り価格(転換価格)のことだ。
保険会社によってはセールスによって、下取り価格を自由に操作されてしまう。
見た目上、すごく保険料が安くなる設計書を作ったりすることが可能だ。

この下取り価格によって顧客がセールスに騙されるケースも多い。

転換を利用することで騙されるリスクがあがるということがどういうことか、簡単に理解してもらえたと思う。

一般に言われる生命保険の転換におけるデメリット

おかしなFPや保険セールスは転換のデメリットを以下の2点のように語ることが多い。

1、転換を利用すると予定利率が変わり不利になる
2、転換を利用するとその時点での年齢で保険料が再計算されるので、うかつに利用すべきでない。

まったくおかしな話だ。
このようなことを何も知らない消費者に話し、専門家を気取るのだから。

どういうことか解説しよう。

1、『生命保険の転換を利用すると予定利率が変わり不利になる』は一面的でしかない

転換を利用すると、旧契約から確かに予定利率は変わる。
高予定利率から低予定利率に転換されてトラブルになった事例は確かに多い。

しかし、予定利率が変わる=不利になるではない。
高予定利率契約が低予定利率契約になれば確かに不利であるが、転換することで低予定利率が高予定利率に変わることもありうる。
今後、予定利率がもし上向きになったら、転換は有用な保険見直し方法とみなされるようになるだろう。

世間はすでに『転換=高予定利率が低予定利率になり不利になる』と刷り込まれつつある。
そして多くの人が転換制度が有利になったことを知らずに機会を逃すのだ。

ちなみに、現在の予定利率が下がり続けている状況では、転換すれば予定利率が不利になることは確かだ。
ただし、状況次第で転換制度は有利になりうるとどこかで覚えておいてほしい。
結論、転換で予定利率が変わるのはメリットでもなければデメリットでもない!状況次第である。
保険に関わるときは、常に長期的スタンスで考えることも重要だ。
ポジショントークに惑わされてはいけない。

2、『転換を利用するとその時点での年齢で保険料が再計算されるので、うかつに利用すべきでない』は強引な話

加入時の年齢で保険料を計算するのは何も転換に限った話ではない。
新規加入でも同様だ。別に転換固有のデメリットでもない。

また、新しい保険を必要としている人に『転換するとそのときの年齢で保険料が再計算されるからやめたほうがいい』と言うのだろうか。

必要な人にとっては、そのときの年齢がなんだろうが、必要だから加入するわけだ。
この項目は無駄に危機感を煽るだけに過ぎない。
もちろん、ニーズに合わない無闇な転換は謹んで当然だが、それは『保険料が変わるから』ではなく、『必要かそうでないか判断したから』であるべきだ。

昨今の状況では、転換はデメリットばかり目立つ。
基本的には本当に必要がなければ転換など利用しないのが吉であるのは確かだ。
一方でわずかながら転換にもメリットがあるので、限定的な状況では有用である。

生命保険を転換することによるメリット

いずれにせよ、必要かそうでないかをまず見極めてから、転換を含めた見直しを考えるべきだ。

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