生命保険がいかに騙されやすい商品であるかご存知だろうか。
その恐ろしい商品性について、まだ知らない人は先に次の記事を参照してほしい。
この記事では騙されないためにするべきことを解説する。
生命保険の加入や転換で騙されないために、あなたがすべきことは以下の3つだ。たった3つだ。
1、生命保険・医療保険は極力単純・必要最小限に加入すること
2、貯蓄性保険に加入する場合は、保険でなければできない部分だけ加入すること
3、説明を受ける際、セールスに対し『あなたの説明はすべて録音させていただきます』と言い、可能な実際に録音すること
では1から説明していこう。
1 生命保険・医療保険はなるべくシンプルかつ必要な分だけ加入する
生命保険は、その分かりにくさによって、詐欺に等しい事態が引き起こされる。
そうでなくとも、知らないうちに1ヶ月に4万円も5万円も、知らないうちに払っていることがある。
このような状況を避けるためには、そもそも複雑な保険に加入しないことだ。
『貯蓄と同時に保障が準備できます』『医療保険は入院や通院、成人病にも手厚い保障が・・・』『若いうちは大型の保障を、同時に一部には終身の保障もついていて・・・』
すべてトラブルの元である。
一般的に保障はそれほど必要ではないし、保険でしかできない機能にしぼればよい。
保険で貯蓄するなど、一部を除いてデメリットばかり際立ち、メリットがほとんどない。
年齢にもよるが、世帯で保険商品の加入が1万5千円を超えたら要注意だ。若く独身であれば、0円でもほとんど差し支えない。
当サイトのメインコンテンツのひとつである『生命保険の選び方』を読み込むと、生命保険や医療保険は驚くほど低額でよいことがわかる。子供がいる世帯で、『世帯全体の死亡保険料など3千円でよい。』などと言うときもある。
あなたの家計を簡単に2万円、3万円と改善する考え方が満載なのでぜひ、見てほしい。
2、貯蓄性保険に加入する場合は、保険でなければできない役割だけに期待する
『保障と同時に貯蓄もできます』などという触れ込みで半端な貯蓄性保険を勧めてくるセールスは非常に多い。
私にはまったく理解できないことだが、消費者側も掛け捨てを非常に嫌がる傾向にあるので、このセールス文句は一定の効力がある。たいていは貯蓄性商品の複雑さなど理解できずに、損をしているのか得をしているのかわからず、10年経って転換下取りにされるのがオチである。悪質なセールスに当たれば、騙されることになるだろう。
金融商品とは保険に限らず、役割が似ている、重なっている商品が非常に多い。
年金保険と定期預金、あるいは日本国債を買う場合など、本質的には安全度の高い貯蓄に過ぎない。
せいぜい受け取り方や契約期間、リスクに応じた若干の利息の違いがある程度だ。
保険でなければできないこと、銀行預金でなければできないこと、債券でなければできないこと、というのはそれほど多くない。
アカデミックな観点からすれば、もともと保険は貯めるということを想定して設計されていない。
貯めるという行為は、そもそも銀行の領域である。
貯めるという行為で、他の金融商品に比べて、明確に有利な点があるのは、たった2つの状況に限られる。
年金保険に加入し年金保険料控除を利用すること
生命保険の相続税非課税控除枠を使うため、終身保険に加入すること
後者については相続税対策の話なので、平均的な資産・収入の人なら気にする必要もない。
よって、一般的には、貯蓄に保険を利用する際に有利になるのは、年金保険料控除目当てで加入する年金保険だけだ。
所得控除が受けられる上限の保険料は年間8万円、1ヶ月換算で約6,667円だ。
貯蓄を目的にして、保険会社の商品に加入する場合、1ヶ月6,667円の年金保険以外は全く無意味だ。
銀行などの貯蓄性商品に比べてデメリットが大きい。
半端な貯蓄性と保障性を備えた保険に加入することは、保険を複雑にし、悪質な転換契約の元となるので、お勧めできない。
3、保険会社のセールスから説明を受ける際には『あなたの説明は録音させていただきます』と言い、実際に録音する
生命保険会社のセールスに騙されないためには、かなり有効だ。
生命保険の転換に限らず、断る方法としても有効である。
先述の1と2の話は、自分で保険に関して知識をつまなければならないが、この方法は簡単かつ強力である。
1の話のように、あなたの家計収支を改善するきっかけにはならないが、少なくとも、騙されるリスクは激減されるし、騙されたとしても何も問題ない。
生命保険会社のセールスは金融商品の販売員として質が低いのが普通なため、勧めている実際の商品の内容と口で説明している内容が異なることが非常に多い。
カニかまぼこを越前蟹だと言って売っているようなレベルだ。
故意にしろ、故意でないにしろ、セールスの口頭の説明は間違いが多いので信用してはいけない。
また、口頭の説明は証拠が残らないので、言った言わないの争いになると、意向確認書の存在のため、顧客に不利になることが多い。
そのため、『セールスが確かにこのように言いました』という証拠を残すため、録音は非常に有効だ。
事前に牽制を入れるだけでも、あなたの前でヘタなことは言えなくなるだろう。