シングルマザーだけど生命保険にいくら入ればいいのか

世のシングルマザーの方々は非常に大変な人生を送っていることは知っている。シングルマザーの平均年収が240万円とも言われ、元夫の養育費支払いなどあてにできず、まして子供を世話しなければならないのだ。
あなたがもしシングルマザーであるのなら、心から敬意を表するものである。

少しでもシングルマザーの負担を軽くする手伝いにこの記事がなれば私としても嬉しいことだ。

普段なら当サイトをしっかり読み込み自分で入るべき保険を出してほしいと言うところだが、シングルマザーであるならそのような余裕すらないかもしれない。ある程度状況を絞ってアドバイスしてみよう。

この記事は前提としてあなたが年収250万円程度かそれ以下で、子供がまだ小さいと想定する。もちろん貯金もほとんどないものとする。

余裕がないシングルマザーでも生命保険や医療保険は必要か

正直なところ年収250万円くらいでは月3000円の支払いですら簡単にだせる金額ではないだろう。生命保険など入っている場合ではないかもしれない。しかし、もしあなたが万が一亡くなってしまえば、残された子供の生活はすぐ破たんする。残酷な話だが貧しさは連鎖する。勉強ことすらままならなくなり、結果将来は低収入の仕事につく可能性が高くなる。最低限の生活と教育が保障できるだけの生命保険は必要だ。

一方医療保険については考えなければならない。あなたが病気で入院したりすれば働けなくなり収入が途絶えるわけだが、民間医療保険は入院したとき、手術をしたときに給付金が出るわけだが、自宅療養などをする場合は無力だ。今どき病院に長期で入院はさせてくれない。収入の保障として民間医療保険は全く頼りにならない。医療保険に入れば当然その分保険料の負担はかさむばかりとなり、現在のあなたの生活が難しいものとなる。あなたが必要なのは働けなくなった間の収入を保障してくれるものだ。医療保険はその点ほとんど役に立たない。

働けなくなった間の収入の保障と言う保険では所得保障保険という保険がある。病気やケガなどで7日以上働けなくなった場合に月当たり10万円が支払われる、などといった保険だ。これらは入院、手術をしたかどうかは関係ない。シングルマザーとして働けなくなった場合の心配をまさに保障してくる保険だ。やはり保険料がかさむので難しい選択だが、医療保険よりは確実に役に立つ。

シングルマザーが加入するべき生命保険はいくらか

生命保険が最低限必要だとして、いったいいくらの保障に加入すればよいのか。

当たり前だが最小限の支払で済むようにしなければならない。

幸いながらシングルマザーということは女性だ。女性であれば死亡保険の保険料は男性の場合に比較して安い。40代の女性であっても30代男性と同等くらいの保険料で加入できたりもする。私が極限まで効率を追求した保障を提案しよう。

まず保障の大きさだ。

あなたが亡くなってしまった場合、残された子供に1年あたりいくらの保障があればよいかまず考える。

カギになるのはあなたが今国民年金や厚生年金に加入しているかどうかだ。

会社員であれば厚生年金、そうでなければ国民年金だ。未納期間がないことが望ましい。もし今収入が低く、国民年金を支払う余裕がない場合は必ず支払いの免除申請を行っておこう。未納期間にならないだけ大分ましになる。

さて、これら国の年金制度は老後の年金だけを保障するものではない。加入者が万が一亡くなってしまった場合、遺族年金というものが遺族に支払われる。実質的に生命保険のようなものだ。

子供が18歳になる程度までは遺族年金は受給対象になるので、子供が小さい場合はこの年金制度の遺族年金をある程度計算に入れるとよい。

今まで未納期間がない前提で話すと、国民年金に加入しているシングルマザー自身が亡くなってしまった場合は、子供が1人の場合は77万9300円の年額が遺族に支払われる。子供が2人以上の場合はその人数に応じて加算がある。保守的に考えても80万弱の遺族年金があると考えてもらえばよい。
会社員の場合は厚生年金からも遺族補償がでるが、遺族厚生年金は計算がやや複雑なので、ここでは考慮しないこととする。

さて、年額80万円程度の遺族補償があることをスタートとして生命保険を考えよう。

1か月20万円あれば子供1人であれば十分生活していける。(実際に面倒を見るのはあなたの親だったり親戚だったりするかもしれないが経済面は保障しなければならない)。子供2人以上であっても40万円必要なわけではない。よっぽど子だくさんでもない限りは1か月20万円という数字でそこそこの生活はできる。

1か月20万円を保障するためには1年で240万円あればよい計算になる。国民年金の遺族補償で年額80万程度、やや保守的に考えて70万円がおりるとあれば、残るは1年あたり170万円あればよい。

次に保障が必要な期間を考える。

もしあなたの一番小さい子供が0歳だったら、その子が大学卒業相当の年齢まで生命保険の期間を考えるのが一般的だ。つまり最長でも保障の期間は22年だ。

最大で170万円×22年=3740万円の保障があればよいことになる。今は0歳の子供でも1年後には1歳になるわけだから保障の必要な期間は21年となり、必要な金額の総額は170万円×21年、以下1年たつごとに、170万円×20年、170万円×19年、とだんだん減っていく。このように必要な保障額は年々減っていくことを覚えておいてほしい。

シングルマザーが3740万円の保険に入る場合の保険料は?

必要な保障額が分かったところで、例えば3800万円の生命保険はいくらなのか軽く見てみよう。

例えばライフネット生命によれば、30歳の女性が50歳までの保険期間(22年には少し足りないが20年)で3740万円の死亡保険に加入した場合の保険料は3008円(月額)だ。

この金額を安いと感じるか高いと感じるかはあなた次第だが大手の生命保険会社で入ると同じ保障で3倍くらいの保険料がかかる場合もある。

少なくとも、同じ保険でも保険会社選びを間違えると大変なことになるのはおぼえておいてほしい。

ライフネット生命は女性の保険料率(保険金100万円あたりの単価)が他社にくらべて割と有利になっている。

このようなざっくりした保険の組み方でも1万円だったり5千円も払わなくてもよい。

シングルマザーが年間170万円を子供が22歳になるまで支払う保険の保険料は?

先に言った通り、生命保険は子供が22歳になるまでずっと同じ金額の保障(例えばずっと3740万円)が必要なわけではない。必要な保障額は総額でみると年々減っていくのだ。このような保険を組むと、普通の死亡保険よりさらに保険料負担を抑えることができる。一般にこのような保険を収入保障保険という。

ではある程度価格競争力が強い保険会社の収入保障保険をみてみよう。

例えばチューリッヒ生命の収入保障保険だと2200円となる。(保険金額月額15万円(年額で180万円)、女性、30歳から55歳までの契約、支払い保証2年)

先のライフネット生命で試算した保障よりさらに安くなった。

もちろんこのくらいの負担でもシングルマザーにとっては大変な金額だということは分かっている。しかし必要な保障額を算出したうえで可能な限り安く入ろうと思うとこのあたりが限界だ。あとは自分の財布の中身と相談して、年額170万円を例えば120万円くらいに減らしてみたりして払える範囲で生命保険に加入するとよい。もちろん保障額が減れば万が一のときに困るのはあなたの子供である。過剰な保障は不要だが、少なすぎてもよくない。

もっと詳しく、さらに最適な保険にしたい人へ

ここまで、私が勝手に前提条件を設定して書いてきたが、中にはもっと年収が少ない人や、もっと多くの保障を子供に残したい人もいるだろう。可能な限り保険料が安い保険会社を知りたいかもしれない。この記事で提案した保障でも十分な保障ではあるが、さらに詳しく知り、勉強したい人は当サイトのメインコンテンツを見るとよい。少なくとも、どの保険会社が有利かの記事は参考になるはずだ。