生命保険契約に特約を付ける場合に気を付けるべきこと

生命保険の特約は基本的につけ過ぎてはならない。かゆいところまで手が届くような保障が多いが、追求しすぎるとどんどんと保険料が上がってしまう。

また付属品という扱いなので、見直しの際などに扱いに注意する必要がある。

そもそも特約とは?

生命保険契約には、主契約と特約が存在している。あなたがまず加入するのは主契約だ。特約とはその主契約に付随してくる契約条件のことだ。600円のみそラーメンに100円の味玉をつけるようなものだと思ってもらえばいい。

特約は主契約がないと存在できないので、主契約が消滅すると、特約も同時に消滅する。また、特約単独で加入することはできない。もしかしたら、味玉は単品で頼めるのかもしれないが、特約は無理だ。

特約を付けることで、保険もいろいろな味に変化する。

例えば、2000万円の死亡保険が主契約だとして、あなたはこれに加入しようとしている。このままでは、亡くなったときだけ、保険金がおりる契約になっている。ここで、入院したら1日あたり5000円おりるという特約をつける。これで、あなたが加入する保険は入院にも対応できる保険になったわけだ。

とは言っても、医療保険と死亡保険別々に加入するのと変わりがない。特約だから保険料が有利だとか、そういうこともない。

特約は非常に多くの種類があるが、役にたつものと、役に立たないものに別れる。この記事では、そうした知識を交えながら、特約を付ける際の参考情報になるよう、特約について解説していく。

生命保険に特約をつける際に注意すること

最も注意すべき点は、主契約が消滅すると、特約も消滅するということだ。

1000万円の死亡保険に加入していて、入院日額5000円の特約がついていたとしよう。あるとき死亡保障が必要なくなって、解約を検討することになった。入院保障は残しておきたい。だが主契約の死亡保障を解約すると、入院保障も消えてしまう。

さて、困った・・・

といった具合だ。このように、特約は見直しに融通が利かない場合がある。加入する際に、なるべく特約てんこ盛りという、契約にしないよう注意しよう。

役に立つ特約・役に立たない特約

保険には多種多様な特約が存在するが、たいていは役にたたない特約だと思ってもらってよい。なぜなら、他の保険で代用可能で、わざわざ特約で加入する意味がないからだ。

また、役に立たない特約とは、必要性がない特約という意味でもある。逆に約に立つ特約とは、無料の特約だったり、特約でしか実現できない保障のことを意味する。

私はいつも保険は必要性でしか判断しない。

生命保険契約につけると役に立つ特約

保険料払込免除特約

保険料が必要な特約の中で、特別な効果を持つ特約だ。

この特約は加入者が高度障害状態になったときなどに、加入している保険の以降の払い込みを免除するものだ。

高度障害状態になったら、収入が途絶え、保険料を払うのが難しくなるかもしれない。高度障害状態になったら、いよいよ保険が必要になるというのに、保険料が払えなくて解約になるのは困る。この特約が付いていれば、高度障害状態になっても無料で保険を続けていくことができるのだ。

高度障害状態の定義は保険会社、保険種類によって異なる。中には特約でなく、自動的にこの条件がついている保険もある。保険料を支払う特約の中では、必要に応じて検討する価値のある特約だ。

リビングニーズ特約

保険料がかからない、無料の特約だ。主に死亡保険につく。

死亡保険の加入者が、余命6か月以内などと診断されたとする。リビングニーズ特約により、死亡保険金の範囲内、あるいは一定の金額の範囲内で、保険金を先にもらえるという保険だ。先取りした保険金は、死亡した際の保険金から差し引かれる。

生存時に保険金を活用できる特約だ。無料なので基本的につけておくべき特約だ。

指定代理請求特約

これも無料の特約だ。

保険金を請求する権利がある人が、なんらかの理由で請求できない場合、代理で保険金を請求できる人をあらかじめ指定できる。

特に医療保険で効果を発揮する。医療保険の給付金請求者は、基本的に加入者本人(被保険者)になる。その加入者が意識不明で入院していた場合、代理で給付金を請求できる人がいれば、入院費用を補てんするため、先に請求することも可能だ。

個人年金税制適格特約

無料の特約でも効果が高い特約だ。

個人年金保険とセットでつけるものだが、つけるために条件がある。

個人年金保険に加入する場合は、この特約がつけられるよう加入するとよい。

役に立たない特約

保障の上乗せ的な特約はすべて役に立たないと思ってよい。

必要ならば、単体の保険があるからだ。

先ほども言ったが、特約という形で保障の上乗せをすると、解約する事態になったときに困る。

また、保障の上乗せをするということは、本当に必要なのか検討しなければならない。

まとめ

役に立つ特約、役に立たない特約を挙げてみた。無料の特約は特段気にせずつけてもよいが、保険料がかかるものは必要性を判断しよう。あなたの保険は、特約と主契約で保障が重複していて、保険料の無駄払いなんてことはないだろうか。

本当は必要なかった特約が満載で、保険会社にお金を貢いでいないだろうか。