あなたの加入する生命保険はあなたの役に立っているだろうか。『そもそも何の役に立っているのかわからない』という人が大半だろう。
当然だ!
生命保険は役に立たない!亡くならない限り・・・
世にもまれな、ほとんど役に立たない商品に、あなたは毎月1万円、お金を払っているかもしれない。
それでも、世の中の人は生命保険を買うのだ。メリットがなければ買わない。
この記事を読んで、生命保険のメリットをきちんと理解し、生命保険を買う理由を明らかにしよう。
買う理由に合わなかったら、いらないし、解約だ!
生命保険にしかできないこと
他の商品にはない、生命保険にしかできない役割がある。その役割が必要だったら、あなたは生命保険を買っていいだろう。もし、その役割が、預貯金や株で可能なら、わざわざ生命保険を買わないだろう。
さて、生命保険にしかできない役割。
それは、少ない費用で、大きな保証が得られるということだ。資金が少ない人のリーサルウェポンだ。
例えば、あなたに専業主婦(夫)のパートナーと3歳の子供がいたとする。家族の年収入は、あなたの給与収入の500万円だ。特に不自由もなく、貯蓄も300万円貯まっている。
ある日、あなたは脳卒中で亡くなってしまった。
あなたの残された家族は、当然300万円の貯蓄だけでは生活していけない。
パートナーは働きにでるが、3歳の子供を抱えながら、フルタイムで働きにでるのは難しい。
なんとか月に10万円稼ぐのが限界だ。
福祉制度も活用しながら、なんとか生活はできるかもしれないが、子供の教育に大きな影響がでるかもしれない。
旅行など娯楽は制限されるだろう。なんと厳しい生活になってしまったことだろうか・・・
一方3000万円の生命保険に加入していた場合はどうだろう。
あなたは、普段、役に立たない、毎月6000円を確実に持っていく、生命保険をわずらわしく思っているかもしれない。
金食い虫め!いっそのこと解約して、浮いたお金で好きなことをしようじゃないか!
なんのために加入しているのかも怪しくなってくる!
なんとか解約されずにいた生命保険。
ある日不幸にも、あなたは心筋梗塞で亡くなってしまった。
3000万円の生命保険金がおりてくる。
残されたパートナーは思うだろう。
『子供の面倒を見ながらじゃ月に10万円しか稼げないけど、保険金のおかげで、なんとか生活できる!』
『子供の教育も人並みに受けさせられそうだ。』
『払っているときは毎月お金とられていたけど、考えてみたら自分で3000万円用意するって大変なことだよね。』
『ちょっとの支払いでいざというとき助けてもらえるんだから、生命保険に入っていてよかった。』
さて、どうだろうか。
生命保険は金食い虫だが、あなたはただちに3000万円準備できるだろうか。
たいていの人はできないはずだ。
生命保険は少ない支払いで、大きなリスクに備えることができる。そのリスクが起きる確率は確かに小さい。しかし起こってしまうと、その影響は大きすぎる。人生を破たんさせるに十分なリスクだ。人生を破たんさせるリスクを避けるために、少しの費用を払って生命保険に加入する。
この役割は保険以外の他の商品では代わりがきかない。
あなたはこの『大きなリスクに対して、小さな費用で備えることができる』という唯一無二の役割を期待して、生命保険に加入しただろうか。
それとも他の商品でもできる役割を期待して、生命保険に加入していないだろうか。
『別にそれ・・生命保険じゃなくてもいいよね。』というような目的で生命保険に加入していないだろうか。
生命保険のメリットをきちんと理解した事例と、間違えてしまった事例
最後に、生命保険の役割をきちんと利用して、生命保険に加入した例と、『それ・・なんで生命保険でわざわざやるの?』というような加入をした例を紹介しよう。
生命保険のメリットをきちんと理解した人の場合① 遺族の保障
あなたが亡くなってしまった場合、遺族が生活に困ってしまうようなときだ。
家族の収入の9割はあなたが稼いでいる。稼ぎ頭のあなたが亡くなってしまったら、直ちに遺族は貧困生活に叩き落とされるだろう。貯蓄で準備しようにも、10年20年という長い期間の生活費をまかなうためには、何千万円というお金が必要だ。だが、何千万円というお金を貯蓄で貯めるには無理がある。
そこで、生命保険の出番だ。生命保険は万が一の事態に備えて、少ない費用で、その何千万円という大きな金額を準備することができる。これは生命保険以外で対応することは難しい。
基本的な、そして大事な生命保険の使い方だ。
生命保険のメリットをきちんと理解した人の場合② 相続対策
あなたはすでに80歳だ。
そろそろ相続対策など意識する頃合いである。
生命保険には、相続税が非課税になる制度が存在している。死亡保険金に対して、相続人の人数×500万円の金額まで、死亡保険金は相続財産の計算からのぞくことができる。
あなたには、相続人になる子供が1人いる。ここは、500万円の終身保険に加入しておき、相続税が少しでも減るよう対策をしておこう。
生命保険の相続税上の有利な点を利用したうまい例だ。これは生命保険特有の制度であるので、生命保険に加入する理由の1つとなる。
間違えて生命保険に入らされてしまった人 セールスに言いくるめられてしまった場合
あなたはまだ独身である。それにもかかわらず、セールスに勧められてよくわからないまま、生命保険に加入している。金額は3000万円だ。
いったい、何の目的で加入したのだろうか。
よくわからないまま、加入した?
わからないものに金を払うな!
独身で養うべき人がいないならば、生命保険に加入する必要性などない!
すぐに解約すべき事例である。
流行りの保険ショップは間違いないだろうと思って、間違って加入させられてしまった人
あなたは、生命保険金3000万円の定期保険に加入した。
最近よくある大型ショッピングモールにある、保険ショップなどとも呼ばれる代理店で加入した。
あなたは養うべき家族、とくに小さい子供がいるので、大きな保証は必要だ。3000万円の定期保険加入も妥当な金額かもしれない。
加入したとき、同時に終身保険にも加入した。金額は300万円だ。
保険ショップの担当には、
『葬儀代の備えとして300万円の終身保険で対応しましょう。ある程度期間がたてば、解約した際、払い込んだ分と同等の解約返戻金が返ってきます。葬儀代を備えながら、貯蓄のやくわりを持たせることもでき、いい商品です。』
などと勧められた。
うまくできた保険だと感じたあなたは、損がなさそうだと判断し終身保険にも加入したのであった。
さて、この終身保険がクセモノだ。最近の終身保険は低解約返戻金型終身保険が多い。これは、保険料を払い込んでいる期間の解約返戻金が通常の7割などと低く設定されている。払込期間が終了すると、返戻金額はもとに戻る。
このことは解約返戻金が低い期間のうちは、解約しにくい・・・貯蓄目的で入ったのにも関わらず、現金化することを制限されているのだ。この場合、5年、10年で資金が必要になったときに困る。
資金を自由に使えなくなってしまったのだ。
貯蓄する目的は、いつかそれを使うということが前提にあるはずだ。資金を使える時期を制限されるということは、貯蓄の機能が損なわれていると考えてよい。
また葬式代も準備できるなどと言われて加入をすすめられるが、葬式代など生命保険で準備するほど、必須の出費とは言えない。少なくとも若いうちは。資金がなかったら安い葬儀ですますことにしておけばよいし、今は数十万円でできる葬儀屋などいくらでも存在している。
あなたは、このようなセールストークに惑わされてはいけない。
そもそも!
貯蓄は生命保険じゃなくてもできる!
生命保険である必然性がない!
以上、生命保険の特有の役割をきちんと生かした加入例と、世間によくある、目的を間違った加入例を紹介した。
あなたが加入した保険、あるいは加入しようとしている保険は、保険でしか実現できない目的のために役立っているだろうか。