あなたは自分に生命保険が必要かどうか判断できるだろうか。
『いらない』と判断できれば、今すぐにでも生命保険を解約したり、目の前のセールスを追い返したりできるだろう。
しかし実際にはどういう基準で『いる』『いらない』を判断すればいいのかはわからない人がほとんどのはずだ。
ここでは様々な類型別に、『生命保険がいらない人とはこんな人』という解説をしていこう。
生命保険が独身の人にとっていらない理由
独身の人は一般的に生命保険を考える必要がない。
親に対して経済的援助をしている場合は、あなたが亡くなると親が経済的に困るので生命保険が必要だが、そうでもなければ生命保険はいらない。
ただし、あなたが働かなくともお金に困らないような金持ちなら関係ないが、そうでないなら病気・ケガなどで2年・5年・10年と働けなくなった場合には、生活費に困るはずだ。
よって就業不能保険だけは検討してもいいかもしれない。
参考記事『独身の人が今すぐ生命保険の見直しをしたほうがいい理由』
参考記事『50代で独身の人が生命保険の見直しをするときに注意すべきこと』
健康保険があれば生命保険なんていらない?
日本の健康保険は世界最高水準の公的医療保険だ。
医療費のうち少なくとも7割を負担してくれ、1カ月の自己負担限度額を超えると全ての医療費を負担してくれ、会社の健康保険に入っている人は病気やケガで休業中の給料の補てんまでしてくれるではないか。
しかも民間の医療保険と異なり、入院しなくても手術しなくても、ちょっと医師の診察を受けるだけでも医療費を負担してくれる。
ちょっとした医療費の出費でも、長い療養期間となってもどちらにも手厚い健康保険がある。
もはやこれで民間医療保険に入る必要などあるのだろうか。
遺族年金があれば生命保険なんていらない?
多くの日本人が知らない事実。
公的年金制度は生命保険も兼ねているという事実。
公的年金制度は、老齢給付・遺族給付・障害給付の3点セットの給付が基本だ。重複して給付を受けることはできないが、老後の保障・働き盛りで亡くなった時の遺族の保障・障害を負い働けなくなった時の保障を兼ねている。
これだけの保障があるのに、年金保険料を払っていない人がいるというのだから信じられない。
では、遺族保障があるから民間の生命保険もいらないのかというと、さすがに少し心もとない。万が一の際の家族の生活費を補てんするには、遺族年金はある程度足しにはなるが、遺族年金だけで足りるというには心もとない。
遺族の生活の心配をしなければいけない人は、遺族年金の額も考慮して、生命保険に加入するのが基本だ。
医師に生命保険はいらないのか
医者は基本的にお金持ちだ。また、いったん職が途絶えても医師免許という強力な資格を持っているから、体調さえ良ければ再就職の心配もない。その意味ではあまり生命保険を必要としない。
しかし、勤務医はそれほど給料が高いわけではない(それでも一般人よりはよほど高給だが)。
そのため、家族など養うべき人がいる場合は、一般の人と同様な生命保険を考えたほうがよい。
開業医の場合はそのような遺族の生活費の保障を考える必要はあまりないかもしれない。
それよりも、経営する病院・診療所にかかる設備費などが問題になる。もし借入等で対応している場合は、借入金に対応したそれなりの金額の生命保険が必要になるだろう。
共働きなら生命保険いらないよね?
共働きの場合は生命保険がいらない、と言われる場合もあるが、共働きでお互いどの程度稼いでいるかで生命保険の必要性が変わってくる。また時間にどの程度融通が利くかといったことも重要だ。
なぜなら、夫が100万円の年収で、妻が700万円の年収では、共働きとはいえども、妻が亡くなったら生活は立ちいかないかもしれない。子供がいればなおさらだ。
また、夫が500万円・妻が500万円などとどちらもそれなりの収入があるから生命保険はいらない、と考えるのもあまりにも短絡的である。
仮に小さい子供がいて、夫が亡くなったとしよう。保育園や幼稚園のお迎えなど支障をきたすようになるかもしれない。育児の負担も増えるかもしれない。会社勤めであればいままでと同様に稼げるとは限らないと思うべきだ。
この場合、多少の生命保険はかけておくべきであろう。
家庭の生活スタイルを考慮して判断しなければならない。
参考記事『『結婚しても生命保険に入らない』と自信満々に言ってよい!』
妻に生命保険はいらない?
性別は別に生命保険のいる・いらないには直接関係ない。
子供がいて、妻が収入を稼ぎ、夫があまり稼いでいないなら、妻には生命保険は必要だし、逆のパターンであればいらない。
妻が亡くなった場合に、遺族が経済的に困るのかどうかで生命保険のいる・いらないを判断すれば分かりやすい。
子供に生命保険はいらない!
一般的に、両親が子供が稼ぐお金で生活しているという状況はあまりない。せいぜい子供が芸能人の場合とかそういう場合だろう。
それでも、両親が子供に養ってもらっている場合は生命保険は必要だ。
あくまで、生命保険をかけられる人が亡くなった場合、遺族が生活に困るかどうかで判断されなければならない。
参考記事『いますぐ子供の生命保険の見直しをしないといけない理由』
参考記事『結婚したときの生命保険の名義変更など手続きはこれをやること!』
生命保険に加入するとき死亡保障はいらない?
上で見てきたように、死亡保障は保険をかけられた人が亡くなった場合に、経済的に困る人がいるかどうかで判断する。
生命保険に加入するとき終身保険はいらない?
保険ショップ等では、貯蓄代わりに終身保険を勧められる場合がある。
特に、大きな死亡保障が必要ない、独身の人や、専業主婦(夫)に勧められる。
貯蓄しながら葬儀代くらい準備しましょうという態度で。
保険で貯蓄するくらいなら、銀行預金でも、インデックスファンドでも買ったほうが手数料が少なく済むので有益だ。
『本当に賢い人は貯蓄性の生命保険に入ったりしない』の記事も参考にしてほしい。専業主婦に生命保険とかいらない!
専業主婦の定義にもよるが、一般的に収入はゼロかほとんどないものとする。
専業主婦は亡くなっても経済的に直ちに困る人はいないかもしれない。
ただし、残された夫に家事・育児などまるごとのしかかってくるため、それまでと同じように仕事ができなくなる可能性があり、収入が下がる恐れはある。そのあたりは共働きの場合と何も変わらない。
そうしたリスクが気になるなら、小さめの死亡保障に加入しておくのも価値観としてはありうる。
生命保険の担当者っていらないよな
近年ネット系生保や保険ショップの増加により、契約ごとの担当者というものがつかないパターンも増えてきた。
担当者がいないと不安になるのが『手続きとかするとき不安』などという考えがある。
しかし問題ない。
保険金請求を中心とした『諸手続き』は本社のコールセンターなどに電話すれば、担当者に連絡するより、はるかに早く・正確に手続きできる。
生命保険会社の担当者など、売るばかりで諸手続きはいちいち事務職員に確認している程度のレベルだ。その担当者も厳しいノルマによりコロコロ変わる。
そしてうっとうしい営業攻勢をかけてくるばかりだ。
ゆえに生命保険の担当者などいらないのだ。
生命保険で年金なんていらない?
年金保険はある程度は有用だ。
『個人年金保険には毎月7000円弱入るのが最適である理由』の記事にもある通り、月6666円の掛金なら個人年金保険料控除という所得控除を受けられる。この点は他の金融商品にない利点だ。
逆に言えば、それ以上の年金保険はメリットがほとんどないので、預金や投資信託でも買う方がよい。
住宅ローンを組むときの生命保険はいらないのか?
住宅ローンを組む際は、団体信用生命という生命保険に加入することが住宅ローンを組む条件になっていることがほとんどだ。加入しないとローンが組めないので、その意味ではいるもいらないもない。
逆に言えば、住宅ローンのために団体信用生命とは別に生命保険に加入する必要はないということだ。
万が一の事態には、団体信用生命が住宅ローンの残債を無くしてくれる。
女性に生命保険はいらない?
性別は関係ない!
亡くなると経済的に困る人がいるかどうか!
生命保険でいらない特約とは?
基本的に特約はいらない。びっくりするほど効果が高い特約など存在しないからだ。無料の特約はすべてつけても良い。
20代で生命保険っていらないよな
下記記事参照。
『20代におすすめの生命保険はありません!』自分で判断できない人は専門家に相談を
生命保険を検討するときは複雑に考えないことだ。
医療保険はいらない。
がん保険もいらない。
死亡保険は亡くなったら経済的に困る遺族がいる時だけ必要。
個人年金は月6,666円まで。
外貨建て保険もいらない。
これくらい割り切った考えをすれば、生命保険で悩む余地などほとんどないはずだ。
不安な人はFPなど専門家に相談するとよい。彼らも商売だから終身保険とか余計なものを勧めてくることが多いが、死亡保険などはかなり合理的に見積もってくれる。
それができないと、彼らの存在意義がないからだ。
子供がいる世帯などは、下記記事を参考に保険ショップに相談したりすると、合理的な生命保険が組めるだろう。
『保険の見直しどうすべきか分からない人はFPの無料相談をまず受ければ解決する』