思考停止してるんじゃなかろうか?
『私は34歳なんですけど、この年齢でちょうどいいプランを教えてください』とか言うやつ!
別に年齢に関わらず、『○歳に合った生命保険を教えて』とか言う人はその年齢にもなって物を考えていないのかと思う。
『僕8歳なんだけど、この年齢に合った生命保険教えて』とか言うなら分かる。無知でも仕方ない。(8歳で生命保険のことを考える人がいたら別の意味で驚くが)
いい大人なら、当たり前のことをまず知ろう!
年齢・性別ごとにおすすめプランなんて存在しないということを!!
人はそれぞれ事情が異なるという当たり前を理解して生命保険を考えろ!
生命保険を検討するときは、必ずあなた自身の状況に合ったものを考える必要がある。
断言しておくが、年齢・性別は生命保険を考える上で大して重要ではない。あなたの人生そのものから判断するのだ。
野球観戦をするために図書館に行く人はいないし、株を買いたいのに不動産屋に行く人はいない。
英語で会話するためにスワヒリ語を学ぶ人はいないし、スマホを修理するために料理本は読まない。
状況に合った行動をするというのは、効率的に生活するためには絶対原則である。
特に生命保険のようなお金しか絡まない商品を買う時はなおさらだ。
自分が亡くなっても経済的に困る人(子供など)がいないのに死亡保険に加入しても意味がないし、事務仕事が多い人が、ケガに対する保障を手厚くしても仕方がない。
このことをよく理解した上で、世の中には色々な事情の人がいるということを考えてみよう。
20歳で結婚する人もいれば、54歳でも独身を貫いている人もいる。37歳で配偶者と子供2人の生活だが、貯金が2億円ある人もいるし、300万円借金している人もいる。登山家の人もいれば、野球選手の用具を整備する人もいる。48歳で子供が20歳の人もいれば、48歳で子どもが2歳の人もいる。
仮に40歳になりたての女性が以下のようにググってみたとしよう。
『40歳 女性 生命保険 おすすめ』
様々な解説がでてくるはずだ。
典型的には『40歳女性なら、女性特有の病気を中心に医療保障を準備しましょう。死亡保障は葬儀代も考え1000万円もあればよいでしょう』というような。
レベルの低い解説は死滅すべきだ!!
そのサイトはその40歳女性が、どのような人生を送ってきて、現在どのような状況か知らない。金持ちかもしれないし、貧乏かもしれない。独身かもしれないし、既婚かもしれない。子供がいないかもしれないし、5人の子供がいるかもしれない。
金持ちなら医療保険など入ればムダ金になるだけだし、貧乏であれば医療保険など入っている場合ではないかもしれない。独身なら死亡保険はいらないだろうし、既婚でも、その女性が一家の収入の大部分を稼いでいるかどうかで死亡保険の必要性は異なる。
もし、死亡保障の必要がない男性が世間の平均に流され3000万円の死亡保険に加入していたらどうするのか。もし5000万円の死亡保険が必要な女性が、世間の平均に流され1000万円しか死亡保険に加入していなかったらどうするのか。
もう一度言う。
年齢と性別は生命保険を考える上では大して重要ではない!
中卒ガテン系男性が理解し、東大卒商社マンが理解していなかった事
私に相談してきた人で、2人の事例があった。好対照すぎて良い事例だ。
1人は金髪でガタイがよく、ダボダボの作業服を家でも着ている、ガテン系の26歳独身男性だった。仕事を聞いたら、建設会社の何次受けの下請け会社でクレーン操作をやっているとのこと。言葉使いもなかなか雑だ。『マジ』『ガチ』『ヤバイ』で会話が全て済ませられるのではないか。
1人は短髪で長身、スーツをきちんと着こなす、エリート風の32歳独身男性だった。仕事を聞いたら、大手商社で海外とのバイヤーと日々交渉の日々だとか。聞いてもいないのに東大という学歴を披露してもらい、会話に横文字が多く、コミュニケーションに苦労するのではないか。
どちらも生命保険に関する相談で、加入している生命保険についての相談だった。
違いが出たのはその会話内容だ。
ガテン氏は『マジ・ガチ・ヤベー』が会話の3分の1は占めているのでは?という独特な語り口だが、趣旨としてはこうだ。
『昔、親戚伝手で親に生命保険に加入させられたんだけど、今後は自分で保険料払えと言われた。妻も子供もまだいないし、別に今の状況で生命保険なんていらないと思うんだけどどうか?』
一方、商社マン氏はいかにも高学歴らしく効率を重んじるやり方で、自分の知らないことは専門家に投げるという姿勢だ。
『昔、親戚伝手で親に生命保険に加入させられたんだけど、今後は自分で保険料払えと言われた。せっかくだから32歳の男性がよく入る平均的なプランに見直しをしたいんだがどうか?』
何が違うか分かるだろうか。
ガテン氏は『今の自分の状況では生命保険は不要と思う』と言い、商社マン氏は『自分の年齢での平均的プランは何か』と言っている。
ガテン氏はきちんと自分の状況を元に生命保険を考え、商社マン氏は他人の状況(世間の平均)を元に生命保険を考えているのだ。
世間の平均だとか、年齢別に生命保険のテンプレを参考にするのはこれまで述べてきたようにまるで意味がない。
商社マン氏は私に会わなければ、必要のない保障に加入させられていて、ムダ金を払っていただろう。
私はガテン氏には『その、マジガチヤベーという口調をなんとかしろ!!』と心の中で叫びながら、『あなたの考える通り、解約して問題ない』とアドバイスしたし、商社マン氏には『学歴だけの使えない奴か?物事を自分の頭で考えろよ!』と心の中で罵りながら、『世間の平均プランはあなたの状況には適さない。生命保険は不要なので解約してもよい。』とアドバイスした。
生命保険で世間のおすすめやテンプレなど誰の役にも立たない
これまで見てきた通り、『平均』『おすすめプラン』『働く世代のパッケージ保険』などという、テンプレ化された生命保険は、インターネットの情報だろうと、営業の情報だろうとまるであてにならない。
平均という概念は重要だが、それは特定の個人の誰の状況をも表さない。
年齢性別にかかわらず、その人に合ったプランというのはそれぞれ異なるのが当たり前だということを認識してほしい。
営業マンやFPが『あなたくらいの年齢なら~~』とか言い始めたら、その人は信頼できないと判断してもいいくらいだ。
生命保険を検討するときは、あなたの状況をきちんとヒアリングし、それに基づいてプランを設計する専門家に相談しなければならない。何も聞かれていないのに『若者向けプラン』とか『シニア向け』のプランに加入してはいけない。
今や、生命保険はきちんとコンサルしてもらい、FPなど信頼できる専門家に相談して加入する時代だ。
あなたがすでに加入した生命保険がそうした専門家に相談して出来上がったプランでない場合は、以下の記事を参考にFPに相談してみてほしい。きっと非効率、あるいは足りない部分が見え、保険料が適正化(たいていは節約)されるはずだ。
これから加入を検討する人も、必ず専門家の意見を通すべきであるのは言うまでもない。
『FPに相談すると驚くほど簡単に生命保険料の節約ができる!』