生命保険には平均で何歳から入るのか気にしている人は幸運だ

平均、平均、また平均。

どうして人はこんなに『平均』という言葉が大好きなのだろうか。思考停止なのだろうか。ただの怠け者なのだろうか。

理由は知っている。人は『平均』に属することに安心する生き物だ。多数派に属していると安心する、と言い換えてもよい。

しかし、警告しよう!

生命保険を考える際には『平均』などと言う言葉は何も役に立たないし、むしろ有害だということを。

そして今この記事を読むあなたはラッキーだ。

平均や統計値、あるいはお隣の家族が教えてくれる『何歳で生命保険に入ったか』などなんの参考にもならないことが分かり、かつ本当に『いつ生命保険に入るべきなのか』を知るきっかけを得られるのだ。

『生命保険に平均で何歳から入るのか』についての統計値

生命保険に平均で何歳から入るのか。そんな統計値など無意味だから調べる気にもならないし、そもそもそんな統計があるのかと思うが、あるのだ。生命保険会社のマーケティングのためだろうか。

世帯主年齢別の生命保険加入率

  • 上図は生命保険文化センター・平成30年度「生命保険に関する全国実態調査」を参考に筆者が作成

29歳以下の加入率は79.2%だという。そしてそれ以降の年代はその数字を下回ることがない。何も考えていない人が多すぎると思う。
そして短絡的な人はこの数字を見て『そうか!普通は20代のうちからほとんど生命保険に入るものなのだな!』などと勘違いするのだ。

統計値は事実だろうが、読み取り方を誤ると大変なことになる。29歳以下の人が世帯主であれば、79.2%が加入しているのかもしれないが、29歳以下の多くの人は世帯主ではない。特に就学中の若者であればなおさら世帯主である可能性は低い。それにも関わらず『世帯主年齢別では29歳以下の人も79.2%の人が生命保険に加入しています』などと生命保険セールスに言われれば思わず、『20代でも8割近くの人が生命保険に加入しているんだな』などと勘違いしてしまうかもしれない。

統計の数字に頼ることの危険性が分かるだろう。ちなみに以下が就学中・あるいは就学前の人に限った人の生命保険の加入率だ。いやまて・・・意外に加入率が高い!

子供(未婚で就学前・就学中)の加入率

  • 上図は生命保険文化センター・平成30年度「生命保険に関する全国実態調査」を参考に筆者が作成

思ったより生命保険など必要がまるで感じられない子供の加入率が高くて驚いたが、それでも世帯主ではない人達の加入率が世帯主ほど高くないのは確かだ。

統計値などを持ち出して『平均ではこれくらいの年齢から生命保険に入っているのですよ』などというセールストークに注意しよう。

もう一点重要なことを指摘しよう。

仮に年齢に関わらず8割近くの人が生命保険に加入しているのだとしても、統計は重要なことを教えてくれない。

それは『生命保険のことについてきちんと知ったうえで生命保険に加入しているかどうか』ということだ。

もし生命保険についてよくわからないまま加入している人が多かったとしたら、8割の人(つまり多数派)が買っているものだとしても参考にならないではないか。

あなたはAmazonで買い物をする際にレビューを見て(私もよく見る)、『よくわからないけど買った』などという意見は参考にしないだろう。

ところが生命保険ではこのようなことが起こっている。

自分でもよくわからず生命保険に入っている意味の分からないことをする人々

生命保険の加入実態がいかに矛盾を抱えているか証明しようではないか。

同じ生命保険文化センターの生命保険に関する意識の実態調査で『生命保険の知識』についての調査項目がある。

生命保険に関する知識

  • 上図は生命保険文化センター・平成30年度「生命保険に関する全国実態調査〈図表Ⅱ−40 〉生命保険に関する知識」を参考に筆者が作成

これを見ると、およ66.6%の人が生命保険のことについて『あまり知識がない』と思っているのだ。言い換えれば『よくわからないまま生命保険に入っている人がたくさんいる』ことを意味する。

なぜよくわからないものに毎月大金を払うのだろうか。

仮に家の中を全て完璧に掃除してくれ、全ての人を掃除の手間から解放するような強化型ルンバが4万円で発売されたとしても、使い方や本当に家の中を完璧に掃除するのかよくわからなければ買わないだろう。

それにもかかわらず、多くの生命保険の加入者が無知なまま生命保険に加入しているのが現実だ。

たとえ生命保険の世帯加入率が8割を超えていようと多くの人が生命保険についてよくわからないまま、毎月大金を払い続けている。

生命保険をよく理解していない人が大半なのに『平均何歳から加入しているのか』を統計値から探っても参考にならないことがわかるだろう。

生命保険に入るタイミングは人によって違う

そもそもあなたと、統計の人たちは別人だ。あなたはあなただけの人生をこれまで送ってきたし、これからも同じだ。

統計的には平均で30歳過ぎで結婚し子供が生まれるかもしれないが、あなたは24歳で子供ができるかもしれないし、40歳かもしれない。当然、それにより生命保険に入るべきタイミングは変わる。
必要もないのに平均値の年齢で生命保険に加入するのだろうか。必要なのに、平均値の年齢が来るまで加入しないのだろうか。違うはずだ。

大事なことは平均値などではなく、あなたの人生によって生命保険にいつ入るか決めるべきだ。そのためにはいつ生命保険に入るべきか判断の仕方を学ばなければならない。
世間の人たちと同様に無駄な保険料を支払いたくないなら、下記の記事が参考になるだろう。