生命保険で個人年金保険に入る場合のベストな金額はいくらか

生命保険で老後の準備をするという人はそれほど多くない。個人年金という商品自体知名度が低いのだ。たいていの人は老後の備えというとまずは銀行預金を思い浮かべ、最近の流行りでは投資信託なども考慮に入る。そうでなくとも、今は個人型確定拠出年金など税制上有利な制度もあったりするので、選択肢は広い。

その中で個人年金保険という生命保険会社が販売する商品もまた確かに老後の備えとして利用されてきた。あなたがなぜ個人年金保険に興味を持ったかはこの際どうでもいい。資産運用の観点から個人年金保険はあなたのポートフォリオにどのように組み込まれるのが最適かお教えしよう。

個人年金保険はいくらくらい加入されているのか

個人年金保険の契約全体を平均することに意味はあまりない。私の経験で言うと、5000円とか10000万円などキリのいい数字で何口か加入している人もいる。また自分から『老後の備えとして加入した』という意識の人は存外少ない。ほとんどが『生命保険セールスとの付き合いで~』とか『熱心に勧められ貯蓄代わりにいいか』とかその程度の動機で加入している。

ところが、個人年金保険は表面上は損が出る商品ではないが、多く個人年金に加入する人は思考停止と言われても仕方ないほど考えなしの行動をしていると思ったほうがよい。

個人年金保険は解約することが難しい?

個人年金保険は非常に貯蓄性が高い商品だが、銀行預金などと異なり元本保証など存在しない。この点ですでにリスクがある。しかし真に恐ろしいのは、個人年金保険は解約すると元本割れするリスクが高いのだ。解約自体は契約直後いつでもできる。しかし、特に利率の低いときに契約した年金保険は、契約からの期間が短いほど支払った保険料の総額以下の解約返戻金となる。この点で解約に躊躇してしまう商品となり、銀行保険ほど柔軟に対応ができない。これは突発的に資金が必要になった時の制限となる。家を買う、車を買うなど大きな買い物をするとき『年金保険を解約して資金を作りたいけど元本割れするし、難しい』となってしまいがちだ。

その上、このように資金の引き出しに制限があるのにもかかわらず運用利率は銀行預金と比べてすごく有利ということもない。正直日本国債でも買ったほうがよほど良い貯蓄となるだろう。

月額6666円までの個人年金保険は考慮の余地あり!

しかし、年金保険には他の金融商品にはない輝く特徴がある。それは個人年金保険料控除の存在だ。所得税部分であれば年額80000円までの保険料であれば、一部所得控除に使える。所得控除の上限が、年間の支払額で80000円という数字なる。簡単に言えば月額6666円の個人年金保険1本入れば、個人年金保険料控除を過不足なくフルに利用できるのだ。年額80000円より多い保険料を払っても所得控除額は40000円となるので、ちょうど年額80000円、つまり月額約6666円を支払うと所得控除が40000円受けられる。しかも毎年だ。

所得控除以外は個人年金がさして有利という部分はない

先も言った通り、個人年金保険に一度加入すると解約する場合に考えてしまうことになるだろう。そのため過剰な金額は必要ない。所得控除を最大限受けられる月額6666円までの個人年金保険なら加入する意味はあるが、それ以上は他の投資・貯蓄方法にしたほうがよい。