今あなたは、どうしてこの記事を開いてしまったのか。
結婚前に生命保険を検討するように勧められた?親に?上司に?友人に?まさか、生命保険セールスに?素人の言うことなど気にする必要はないし、自称専門家のことの言うことも聞く必要はない!あなたがやることは、「結婚?生命保険?何?それおいしいの?」と言い、すぐにこの記事も閉じてよい。何も行動する必要などないのだ。
さて、本当にこのまま記事を閉じられてしまうと私が困るので(お金稼ぎ的な意味で)、解説をしよう。
結婚することになったら生命保険を検討しなければいけない?
結婚前後になると、どこから聞きつけたのか、生命保険セールスがやってくる。そうでなくとも普段は保険の保の字もない親、親戚から「結婚したら生命保険くらい入らなきゃダメ」などと言われたりする。
大きなお世話だ!生命保険は万一の際、残された遺族の生活が困らないように加入するのが、原理原則だ。
今、何気なく読み飛ばしてしまったあなた!大事なことは「残された遺族」「生活が困らないように」という2点が本当に大事だ。
これだけ抑えてしまえば、生命保険にいつ加入すればよいか8割方わかる。
「残された遺族」とは?
生命保険に加入を検討する際の、第一のステップは、保障の広い保険商品を探すことでもなければ、安い保険料の保険を探すことでもない。真っ先に『誰のために加入するのか』を検討する必要がある。
あなたが亡くなってしまった際に残される遺族のために加入するのだ。親、配偶者、子供、孫、まれに兄弟姉妹。たいていはこの範囲が「残された遺族」となる。
「生活が困らないように」とは?
生命保険を「誰のために」加入するのか特定できたら、その対象をさらに絞り込む。
それが「あなたが亡くなると誰が生活に困るのか」を考えることだ。
例えば、あなたが家庭の収入の大部分を稼いでいるとして、配偶者、子供がいるとしよう。もしあなたが亡くなれば、配偶者・子供は収入が途絶え、生活に困る。他に稼ぐ手段はあるだろうが、急にあなたと同様に稼げるようになるわけではないことが多いだろう。結婚してなくて、遺族と言えば親しかいなくとも、親に貯金がなく、あなたの収入で生活しているようなら、あなたが亡くなれば親は生活に困る。
これらの例のように、あなたが亡くなったことで、「残された遺族」が経済的に困ってしまい生活できなくなる際、生命保険の検討の必要がある。
結婚前後の場合、生命保険の検討の必要性は?
さて、結婚時の状態を考えてみよう。
結婚しただけでは生命保険の必要性はほとんどない。たいていの場合はあなたの配偶者となる人に稼ぐ力があるはずだ。結婚直後に仕事を止め『もう働きません』と言われ、あなたがそれを了承してしまったらこの限りではないが。子供がおらず、結婚しても妻も夫もきちんと働き、それなりの収入があれば問題ない。
今の時代、結婚したからと言って直ちに仕事を止めるなどという人は割と少数派であろう。あなたの配偶者がその少数派だった場合は、万が一の場合「生活に困る遺族」となるので、生命保険を検討する必要がある。中には、配偶者の女性がすでに妊娠中だ、ということもあるだろう。その場合も、結婚したからと言って、生命保険の検討の必要はない。しかし、忘れてはいけない。幼い子供(まだ胎児だが)がいるので、生命保険の検討の必要はある。
何が言いたいのかというと、「結婚したから生命保険に入る」と自動的に考えるのではなく「幼い子どもは自分が亡くなると、生活に困るから生命保険に入る」という思考でなければならない。
そんなの当たり前だろ?
そう!確かに当たり前だ。だが、この当たり前をしっかり身に着けておかないと、入る必要がないときに生命保険に加入させられてしまう。
もちろん、配偶者がすでにあなたの子供を産んでいる、配偶者に連れ子がいる、などの場合も生命保険の検討の必要がある。
何度でも言おう!
あなたが亡くなればおそらく生活に困るだろうからだ。
まとめると、結婚したから自動的に生命保険の検討しなければならないわけではない。結婚したことによって、新しい家族(その後万一あなたが亡くなれば遺族となる)ができる。新しい家族があなたが亡くなることにより、経済的に困るようなら生命保険の検討をしなければならない。経済的に困らないなら生命保険の検討はいらない。
生命保険の検討の必要があった場合
結婚することによって、配偶者が収入を得るのが難しい、あるいは少ない場合は、生命保険の検討の必要があることは説明した。子供がすでにいる、あるいは妊娠中でも同様だ。
では実際どのような保険を考えればよいのか。ここでこれを語ると、紙面があまりに長大になってしまうので、これはメインコンテンツを参照してほしい。保険の選び方の全てが載っている。
少しだけここで言えることは、年齢にもよるが生命保険ごときに10,000円以上払うようではあまりに不勉強だと言わざるを得ないということだ。
結婚前に寄ってくるうっとうしい生命保険セールスを撃退する方法
これまで語ってきたことがそのまま断り文句となりうるが、もちろんこんな長い文章を覚えられないだろう。
最強のな断り方は以下の通りでよい。しかも角が立たない断り方だ。相手がベテランで怖そうなセールスでも問題ない。
あなた「親(叔父・叔母・兄弟姉妹あたりでもよい。もちろん嘘でもよい)が生命保険のセールスでそこから入ることになっているので」
9割9分のセールスはこれで諦める。この断り文句の覆し方を私は未だ知らない。せいぜい「当社の保険もいい保険なので検討してみてください」と捨て台詞を言うくらいだ。生命保険セールスも暇ではない。見込みが限りなく薄い顧客にいつまでもこだわっていられない。セールスの立場からすると親・親戚から生命保険を入っているという顧客は見込み度がかなり下がるのだ。
他にも断り方は色々あるが、汎用性が高く、反論をほとんど許さない断り文句だ。
結婚前における生命保険の諸手続きについて
結婚をすると、生命保険は手続きが必要だ。名義変更、死亡保険金受取人変更、住所変更などがありうる。しかし、結婚前に急いで手続きをする必要はない。というか、手続きすると問題がある手続もある。
「結婚する」というのは結婚式を挙げるときでもなく、ましてや婚約したときでもない。役所に婚姻届を提出し、受理された瞬間結婚が成立する。(法律の専門家ではないので、厳密には違うのかもしれないが)
書類上夫婦となっていない結婚前では、受取人を変更したところで法定相続人でもない第3者に死亡保険金を渡すことになる。名義変更は旧制を使うなどすればできるが、夫婦間で契約者変更をする場合は、結婚前の状態では戸籍上赤の他人なので、困難が予想される。住所変更は可能だろうが、できればその他手続きと同時にやってしまったほうが面倒が少ない。
結局、結婚前にあせって手続きをやろうとしても、困難が伴うか、できない場合もあるのでやる必要はない。