結婚したときの生命保険は掛け捨てだけ選べば十分である理由

結婚を機会にすでに加入している生命保険の見直し、あるいは新規で加入しようと考える人も多いだろう。

そして、悩む。『どんな感じで加入すればいいの?』と。

答は簡単だ。掛け捨ての生命保険だけ利用して、なるべく保険料の負担が少ないように加入することだ。

なぜ結婚したときは掛け捨ての生命保険だけ選べばよいのか

結婚すると新しい家族ができる。そして、あなた以外の人の生活を保障しなければならない。あなたが経済的に家族の大黒柱なのかもしれない。配偶者、子供たちはあなたが亡くなった場合、お金に困るかもしれない。

結婚前後で決定的に異なるのが、他者への責任が大きくなることだ。(再婚などですでに連れ子などがいる場合はもともと責任は大きい)

大黒柱であるあなた、または配偶者が亡くなった場合の生活資金を担保しなければならない。

貯金?2000万円も3000万円もあなたは貯金しているだろうか。せいぜい500万円もあれば優秀な部類だろう。

家族の稼ぎ頭が亡くなってしまった場合の生活保障は貯金ではとても対応しきれない。数百万円の貯金など5年もあれば十分底をつくだろう。残された人が働く?あなたはシングルの親がどれだけ大変か知っているのだろうか。子供がいなければ独身に戻るだけなので、残された人が働けるのなら問題ないが、小さい子供がいる場合は、子供の育児、教育という非常に手間のかかる作業がある。残された人が働こうにも、収入の大幅な減少は避けられない。

貯金で2000万円、3000万円貯めるのは20年、30年かかる一大事業だ。結婚したての夫婦にとって、用意に届く金額ではない。
そこで登場するのが掛け捨ての生命保険だ。

掛け捨ての生命保険ならば、少ない負担(例えば30歳男性ならば月額3000円程度で)2000万円、3000万円という保障を用意できる。生命保険に入りさえすれば、加入翌日に亡くなったとしても、家族が経済的に困ることはない。このように突然の事態に備えるには貯金ではあまりにも役不足だが、生命保険ならば安心だ。

もちろん貯蓄で2000万円、3000万円の金額を賄えるなら、それが一番よい。生命保険に加入した場合、何も起こらなければ、ただただ無駄な保険料を支払うだけだ。掛け捨ての保険ならなおさらだ。貯金で対応できるなら、何も起こらなければ無駄なお金を払うこともないのだ。

しかし、現実には貯金では対応はできないので、生命保険に加入せざるを得ない。私に保険のイロハを教えてくれた先輩は生命保険の加入は『必要悪で生活するうえでの必要なコスト』と言っていた。できれば払いたくないのは誰でもそうだが、加入せざるを得ないのだ。月3000円程度のコストは甘んじて受けなければならない。

なぜ貯蓄性の生命保険ではダメなのか

世の中には掛け捨ての生命保険を嫌がる人が多い。生命保険を生活に必要不可欠なコストと認識していないからだ。そうした人は貯蓄性の保険に走る。満期保険金があるからどうのこうの。払った保険料が返ってくるからどうのこうの。

実に危ない選択だ。

例えば3000万円の終身保険に加入する。30歳男性がこのような保険に加入して死亡保障とすれば、保険会社によってはおそらく4万円から5万円くらい払うかもしれない。少なくとも数千円とかいうレベルではない。終身保険に加入すれば、確かに保障がいらなくなった時点で解約すれば、支払った保険料の大部分が戻ってくる。

それと引き換えになるのは、毎月数万円の保険料支払いと、保障がいらなくなるまで解約できないということだ。若いうちの支出が増え、あなたの家族の収支状況は著しく悪化し生活の質を下げる。いざ解約して現金化しようにも死亡保障が必要なうちは解約もできない。解約すれば万が一の事態があれば保障はないから、遺族が生活に困るだろう。

補償額の大きな貯蓄性保険で保障を準備すると月の収支が圧迫され、あなたのお金が長期間拘束される結果になるのだ。

これが掛け捨ての保険ならどうか。月3000円のコストはかかるわけだが、終身保険に入らなかったことで浮いた数万円は、いつでも使える貯金に回すもよし、投資に回すもよし、遊びに使うもよしで資金の自由度は格段に高い。きちんと貯金しておけば、突発的な支出があったとしても、保障を減らすことなく対応できるだろう。

あなたは万が一の場合の遺族の生活も考えなければならないし、これからも生きていくあなたの生活についても考えなければならないのだ。

少しでも損をしたくがないために貯蓄性保険に加入すると、これからも生きていくあなたと、あなたの家族の生活の質が下がる。

そもそも貯蓄性の生命保険と掛け捨ての生命保険で損得など存在しない

保険とは本質的にはギャンブルと何も変わらない。

確率論や統計学で考えると、貯蓄性保険も掛け捨ての保険もその経済的価値はまったく同じである。

むしろ貯蓄性保険のほうが価値が低い事態すらありえる。

ここで書くと長くなってしまうので、興味のある人は次の記事を見てほしい。

生命保険はギャンブルと一緒!貯蓄性保険も掛け捨ての保険も価値は同じ

掛け捨ての生命保険をどうやって選ぶの?

さて、新婚である、あるいは結婚前後であるあなたは、掛け捨ての保険を中心に考えればよいことが分かっただろう。

次の問題は数ある掛け捨ての保険をどのように選べばよいかだ。むしろ、このテーマが一番大事なのかもしれない。当サイトでは、1世帯の生命保険を3000円以下で加入することを目標にしている。年齢によって若干異なるが掛け捨ての保険を正しく選べば十分可能な範囲だ。ここまで読んだあなたは、掛け捨てだけ選べばよいとわかり、余計な生命保険を検討する危険は大分減ったはずだ。当サイトのメインコンテンツを読んでも、その基本コンセプトが理解しやすくなっているだろう。

あとは、どの掛け捨ての生命保険を選ぶか自分で導き出すだけだ。