結婚祝い金がでる生命保険はある?

なんとか損をしないように生命保険に入りたいという希望は多い。それに対応するため、多くの生命保険会社が祝い金付の生命保険を開発している。

生存給付金、健康祝い金、無病祝い金、などなど。

中には結婚祝い金がおりる保険がないか?という疑問もあるそうだ。結論から言ってしまえば、結婚祝い金がおりるような生命保険は存在しない。むしろ存在したらその会社はすぐに潰れるだろう。

仮に結婚祝い金がおりる保険が存在したらどうなるか

もし結婚祝い金を出すような生命保険が存在したら、結婚する前の人はこぞって加入するだろう。そして、結婚し祝い金をもらったらすぐ解約するだろう。保険会社は丸損しただけで終わる。結婚や離婚が自由である以上、結婚と離婚を繰り返し、不当に利益を得る人も存在するだろう。

これが多くの人によって繰り返され、遠くない将来、その保険会社はつぶれるだろう。これにより構造的に結婚祝い金を出すような保険は作れない。

祝い金が出る保険は何も得にならない現実

健康祝い金など、各種祝い金が出る保険は一見お得に見える。例えば医療保険ならば、病気をすれば、入院給付金などがおりるのかもしれないし、何も病気をしなければ、健康祝い金がもらえるかもしれない。どちらに転んでも給付があるという意味で掛け捨て感が薄れる。

ところが、健康祝い金を出すための保険料はきちんと上乗せされている。

例えば、契約後、5年後に無条件に6万円の健康祝い金を出す保険商品を考えてみよう。

6万円の健康祝い金を契約者に支払うためには、毎月1,000円の保険料が払われればよい、1,000×12か月×5年=6万円だ。

現実の保険商品は利息や経費を考え、健康祝い金を支払わない場合の確率も加味するのでこのような簡単な計算ではないが、イメージはわくと思う。

なんのことはない。健康祝い金などと言っているが、顧客が5年後に6万円もらえるよう自分自身で積み立てているだけの話だ。祝い金などというと、保険会社がサービスで出しているかのように聞こえるが、そんなはずがないのだ。むしろ、保険料が上乗せされる分、セールスの給料などの保険会社の経費や利益もその分多く支払うことになるので、支払う保険料が増えたことにより、むしろ顧客は損をする。

利息をまったく無視すれば、5年後6万円をもらうためには、あなたは銀行に毎月1000円ずつ積み立てればよいが、健康祝い金目的で加入する契約は、6万円もらうために、毎月1020円支払わなければならないかもしれない。その差は保険会社の経費や利益だ。

祝い金目的で生命保険に加入してはいけない

結婚祝い金が出るような保険はありえないわけだが、その他祝い金等をアピールする保険には注意したほうがよい、というか加入してはいけない。

価格競争力がない会社が特にこの手の祝い金商品を販売しているので注意してほしい。

先に言ったとおり、実質的には自分で積み立てているにすぎず、保険会社の利益も乗る分、むしろ不利になる。耳触りのいい宣伝文句を餌に、無知な人を誘導しているに過ぎないのだ。
このような祝い金が出る保険は、無駄に契約を複雑にする。大手の生命保険会社は特にこのような祝い金を組み合わせ保険を複雑にしてくる。保険料の安さでしのぎを削っているような保険会社は可能な限り保障をシンプルにし、経費を節減しようとしているので、祝い金が出るような保険を発売しない。

祝い金が請求され、支払うためには、少なくとも振込手数料や契約管理システムへの投資が必要なのだ。当然それらの経費は契約者が負担することになる。

祝い金がある保険など、非効率な保険の証明だと思い、加入してはいけない。