生命保険はあなたとなじみが薄い商品のはずだ。
まして、生命保険に加入して保険金や給付金が支払われる事態にもなるのはさらになじみが薄いだろう。
当然、生命保険に加入後に実際に病気になり『保険金や給付金はきちんと支払われるのか』と不安になるのもわかる。そしてその後の生命保険契約はどうなるのかも心配だろう。
生命保険業界人から『何を当たり前のことを、加入後に病気をしても、支払事由に該当すれば通常はきちんと支払われるし、契約もそのまま続くものだ』と鼻で笑うのかもしれない。
だが一般の消費者はそうではない。
しかし安心してほしい。上記の通り生命保険の加入後になった病気の際の不安に対する答えは『支払事由に該当すれば通常はきちんと支払われるし、契約もそのまま続く』が答えだ。むしろ加入後の病気をしてしまった場合のその生命保険契約の扱い方まで気にしたほうがよい。加入後に病気をしてしまった場合はその生命保険契約が虎の子のお宝となるからだ(病気をしたのに『お宝』という表現が不適切なのは認めるが、数学的にはお宝なのも事実だ)。
加入後に病気をして保険金・給付金が支払われても生命保険契約は続く
生命保険契約の中には一度保険金を支払うと消滅する保険がある。
それは死亡保険だ。人は1回しか死ねないので、一度加入者が亡くなって保険金が支払われるともはやその保険契約は意味を失う。ゆえに死亡保険は一度保険金が支払われると消滅する。高度障害でも死亡保険は保険金が支払われるが、その場合も契約は消滅する。『高度障害になりその後死亡して保険金2回』ということはない。
しかし、医療保険やがん保険などは、一度支払い自由に該当しても契約はそのまま有効に続く。『ある病気で一度入院・手術したら、その後同じ病気では2度と支払われない』ということもない。入院限度日数の規定に該当しなければ、同じ病気で入院したとしても何度でも給付金を受け取れる。
例えば、肺炎で8日入院し、退院後やや経過が悪く、さらに3日再び入院したとしても、どちらの入院に対しても給付金は支払われる。もちろんその後も保険契約は継続していく。
もちろん、病気をして給付金を支払ったからといって契約が消滅したりしない。医療保険やがん保険は通常、契約期間が満了するまで契約は残る。
生命保険の加入後に病気になった場合はその生命保険契約を大切に
生命保険の契約後に病気になっても保険金・給付金がきちんと支払われても契約が有効に継続することはわかったと思う。さて、加入者が気にするべきはさらにその後のことだ。
一般的に何らかの病気をするとそれだけ生命保険には加入しづらくなる。重い病気であればあるほど加入が困難になる。それは病気の人は保険金・給付金が支払われる確率が高いからだ。端的に言えばそのような顧客は保険会社に損失をもたらす可能性が高いから、病気の人は加入を断られやすい。
ゆえに生命保険加入後に重い病気であればあるほど、すでに加入した生命保険契約は大切にしなければならない。保険料が負担に感じたとしても、病気をした人は確率的にその後も保険金・給付金をもらう可能性が高いのだ。
大切にすると言ってもどうすればよいのか。もう新しい契約も入れないかもしれないし。
生命保険に加入後病気をした人が加入している契約を大切にするということは以下の3点を指す。
- 途中で解約しないこと
- 契約の満期が来て更新できる場合は更新すること
- 可能なら終身保障に変更することを検討すること
まず途中で解約しないことは当たり前だ。病気をしたら場合によっては解約して新規で加入しなおすのは難しい場合がある。安易な解約をしないように注意だ。
2点目は重要だ。加入後病気になり給付金をもらったあと、そのまま契約を継続していくが、契約の満期が来ればそこで契約は終了だ。そこで無保険になる・・・とは限らない。たいていの生命保険は契約の満期が来ても同じ契約金額の範囲内で契約の更新が可能だ。例えば、入院給付金5000円・契約期間10年の保険に加入していたとして、満期が来たとする。たいていの場合同じ保険を契約金額5000円の範囲内で更新するとその保障がまた10年継続する。更新できる限度の年齢があるがたいていは80歳などだ。更新は病状がいかなる状態でも、仮に亡くなる直前であっても更新できるので、持病もちの人は更新できる限りは更新しよう。
最後の終身保障への変更も重要だ。私は普段は終身の保障はどんな保険であれ反対だが、生命保険に加入後に病気になり保険が大切な体になったら別だ。給付される確率が高い体調になってしまったのなら加入している生命保険をなるべく長く続けることが大切だ。よってあなたが負担できる範囲で今ある保障の保障期間を延ばすことが望ましい。今ある契約と同じ種類・同じ金額の範囲内の転換・見直しであれば、既得権という考え方により、新規で終身保障の保険に入るより圧倒的に健康状態の診査が通りやすい。
今ある保障が大切になった人は、一度保障期間を延長する見直しを検討してはどうだろうか。