掛け捨ての生命保険に月1000円の負担で入れるか

生命保険の負担を極限まで削りたいだろうか。

もし、月1000円まで削ることができるならすばらしい。

しかし、現実的に月1000円の生命保険に入る場面はほとんどない。

いかに掛け捨ての保障が安いとはいえ、月1000円の負担ではまともな保障に入れないか、またはそんな保障はそもそも必要ないかのどちらかだ。

しかし1000円は無理難題だが、生命保険が必要となる人が十分な保障金額を確保した上で1000円代(つまり1000円以上2000円未満)で加入することは不可能ではない。

月1000円以下の掛け捨ての生命保険とはどのようなものか

最近はネット系生命保険会社を中心に、数百円レベルの負担で掛け捨ての死亡保障に加入できることをアピールする広告が増えた。

実際そのような広告に惹かれて生命保険の見直しなど検討する人もいる。

しかし、月1000円未満の生命保険というのは、保障金額が500万円など低額で、しかも加入年齢が30歳以下でないと実現が難しい。女性ならもう少し上の年齢でも大丈夫か。

いずれにせよ大きな保障金額にするのは難しい。

そして、500万円とか1000万円の低額で掛け捨ての生命保険を必要になる人はほとんどいない。大して意味がないのに低額の生命保険に加入している人はたくさんいるが。

生命保険は大きな金額を保障として必要になるから意味がある。大きな金額とは総額で3000万円とかそういうレベルだ。

自動車保険の対人賠償保険は無制限が基本だが、わざわざ保障金額を3000万円とかにしないだろう。万が一の際には3000万円では賠償金額が一部しか払えない可能性が高い。
生命保険も同様に500万円、1000万円の保障では必要な金額の一部しか満たせないだろう。生命保険がそもそも必要ない人は0円でいいわけだから、生命保険に加入する金額の選択肢としては0円か、3000万円など大きな金額のどちらかになるのが基本だ。

月1000円は無理だが、1000円代で大きな死亡保障に加入することは可能

それでも、せっかくここを読んでくれた人のために極限まで生命保険を選べば月1000円代の負担で大きな保障を実現できる可能性があることをお教えしよう。

条件はなるべく若いこと。女性であるとなおよい。男性でかつ年配でもここで紹介する方法はできる範囲で保険料負担を削る有効な手法になるので参考にしてほしい。

月1000円代戦略① 定期死亡保険ではなく収入保障保険を利用する

死亡保険は万が一の際の遺族の生活保障のために利用されるが、遺族の生活費に必要な金額は年を追うごとに減っていく。単純な話、子供の教育費を考えただけでも、3歳では幼稚園からの教育費が必要だが、8歳であれば、小学校4年分とその後の教育費ということになる。加入者が死亡するときの子供の年齢で、その時点で必要な保障額は変わるのだ。一般的な生活費についても同様だ。

このように、契約期間が過ぎるごとに必要な保障額が減っていくのに合わせ、保障金額が減っていくように設計されているのが収入保障保険という種類の保険だ。

一般的な定期死亡保険と収入保障保険の違いについて詳しく知りたい人は下記の記事を参考にするとよい。

契約時の保障金額が同じ3000万円であっても、定期死亡保険は契約期間中の保障金額はずっと3000万円のままだが、収入保障保険は1年ごとに保障金額が減っていく。当然その分収入保障保険のほうが保険料は安い。

大きな死亡保障が必要な人も収入保障保険を利用することで合理的によりやすい保険料で保障を準備できる。

月1000円代戦略② 申込時の健康状態による割引制度がある保険会社で申し込む

大手の生命保険会社にはほとんどないが、損害保険会社が親会社である生命保険会社や、一部の外資系の生命保険会社では、申込時に喫煙者かそうでないか、健康な体かそうでないかで保険料を分ける商品を販売している。
タバコを吸わない人で、健康に自信がある人はそのような会社で発売している生命保険を選ぶと保険料支払いで有利になれる。
自動車保険で事故をしない人が保険料で有利なのと似たようなイメージだ。
タバコを吸いそれほど健康ではない人の保険料と、タバコを吸わず健康な人の保険料の差は無視できる差ではないので参考にしてほしい。

月1000円代戦略③ とにかく多くの生命保険会社を比較しよう

最終的に①と②を同時に扱う生命保険会社にしぼり、なるべく同じ保険金額で保険料を比較するとよい。

世の中には多数の保険会社の数字を見ずに、一社だけの保険料を見て生命保険の加入を決める人があまりにも多いが、単純に相見積をとるだけで、支払う保険料は大きく抑えられる。今はインターネットで簡単に試算できる時代なので、どのような生命保険会社のセールスから生命保険を勧められても、必ず他の生命保険会社と比較しよう。

私が受けた相談の中で、条件に恵まれた人は月1700円程度で十分な死亡保障に加入できた人もいる。その人は男性だったので、女性であったならさらに数百円安くなっていたのだろう。

上記の3つの戦略を実践すれば、死亡保険に関しては必要な保障額を確保しながら最も安い価格帯で死亡保険に加入することができる。健康状態によっては②が実践できない場合もあるかもしれないが、それでも多くの戦略を実践してより安い生命保険に加入してほしい。正直なところ相見積を取ることなど生命保険の知識がろくになくとも実践できる内容だ。
自分で相見積を取るのが面倒ならば、付近の保険ショップにでも行き、死亡保険だけにしぼって比較させればよい。なぜ保険ショップなのかというと、彼らは複数の生命保険会社の商品を取り扱っているからだ。死亡保険や収入保障保険程度の単純な保険なら比較することも簡単である。

もっとくわしく生命保険の選び方を知りたい人は、下記記事を参考にするとよい。当記事では医療保険の入り方や貯蓄性保険はどうするのか一切触れていないが、その理由も書いてある。