生命保険の解約返戻金はいくらになるのか

生命保険の解約返戻金に対する疑問は多い。生命保険は貯蓄か何かと勘違いしている人が多いためなおさらだ。『この生命保険は戻りがあるタイプですか?』などと質問する人はそもそも生命保険・・・というか保険という言葉の意味を何か勘違いしていると思われる。まあその話はここでは置いておこう。

生命保険の解約返戻金の金額を調べる前に注意

生命保険契約は非常に複雑な組まれ方をする場合がある。特に日本生命を筆頭に国内系の生命保険会社はその傾向が強い。貯蓄性が高い部分と低い部分が1つの契約内でごちゃごちゃになっていることも多い。契約の中で解約できる最少の契約単位は何か、そしてそれぞれを分解して、それぞれの解約返戻金額を知る必要がある。

例えば、定期保険と終身保険が一つの契約内にまとまっている場合などその典型だ。一般に定期保険は貯蓄性が低く、終身保険は高い。この場合、契約全体を解約した場合の解約返戻金と、終身保険部分のみ解約した場合の解約返戻金額に差はほとんどない。契約全体だけの解約返戻金額で解約を判断すると、解約しなくてもよい部分まで解約してしまうかもしれない。

細かな契約単位ごとの解約返戻金額を請求するべきである。

生命保険の解約返戻金がいくらになるか調べる方法

生命保険に加入する前に入ろうとする生命保険の解約返戻金を知る方法

あなたがまだ生命保険に加入する前ならば、加入しようとする商品の解約返戻金額はセールスに資料をもらう方法がある。しかし詳細な解約返戻金額はたいていの保険会社が汎用の資料としてシステム的に準備していない場合が多い。『1年経過ごとの解約返戻金の推移を出せ』などと言えば、まず渋られるだろう。そもそも生命保険セールスは解約返戻金額を顧客に知らせるのを嫌がる。セールスにとっては自分が取った契約を解約されると成績にマイナス計上がなされるからだ。解約されるリスクはなるべく抑えたい。

また、掛け捨ての保険の場合解約返戻金が0となるので、そのことについて合理的な説明をする能力のないセールスが多いので、掛け捨てだと明確にわかると、顧客を説得する自信というか能力がないので、これも解約返戻金について説明するのを嫌がる理由になる。

もっとも顧客にはそのようなことは関係ないので高圧的に詳細な資料を求めてよい。出せなければ契約しなければよいだけだ。今どきならコールセンターなど本社のお客様サービス部門などに電話で請求しても対応してくれるかもしれない。

加入している生命保険の解約返戻金を知る方法

すでに契約している生命保険の解約返戻金を知りたい場合は、コールセンターに『生命保険契約の解約返戻金が知りたい』と言えばよい。この場合、担当のセールスに聞くのは厳禁だ。セールス達は解約を防止するためにありとあらゆる手を使ってくる。悪い人間なら嘘をつくことすら普通にあるので信用ならない。その点コールセンターはセールス達の成績など知ったことではないので、信用できる。書面を出してもし嘘だったらとんでもないことになるので、コールセンターの人間は誠実に対応してくれる。ただし、将来時点での解約返戻金を知る場合はすこし書類作成に時間がかかるかもしれない。

生命保険会社に問い合わせず概算で解約返戻金を知る方法

あなた自身でも解約返戻金の金額を概算で知ることはできる。

一般的に年金保険や終身保険など、貯蓄性が高い保険は、すでに払い込んだ保険料相当分の9割程度は解約返戻金として返ってくると考えてよい。逆に定期保険やほとんどの医療保険は解約返戻金はまったくないか、あってもごくわずかだ。保険の契約期間が短ければ短いほどその傾向は顕著となる。とは言うものの、特約が色々ついていたりで、貯蓄性の保障と掛け捨ての保障がごちゃまぜになっている保険は非常に多い。また、契約した予定利率にも解約返戻金は大きく左右されるので、やはり生命保険会社に問い合わせるのが一番確実だ。

実際に解約する場合の注意

解約返戻金額を知り、もし実際に解約手続きをする場合に最大限注意する必要があることが一つある。

解約する前に代わりの保障が必要な場合は、解約する前に代わりとなる契約が成立していることが必要だ。

解約して新規の契約に加入しようとすると、健康状態の審査からやり直しである。
もし、新しい契約の審査が通る前に、古い契約を解約してしまい、しかも審査が通らなかったら、無保険の状態になってしまうからだ。この点は契約を他の生命保険会社に乗り換える場合によく起こり、苦情となるケースがある。

しかし、解約処理は顧客自身の意思でなされ、解約の取り消しなどまず不可能なので、慎重に行動しよう。