生命保険会社では事務職でも営業ノルマはあるのか

新卒採用でも中途採用でも派遣でも、生命保険会社で事務の仕事をやってみたいと思っている人が気になる点は『事務と言えど生命保険の営業ノルマがあるんじゃないの?』ということだ。

昔であればそのような営業ノルマは事務職に関しては『一切なかった』と言えた。

しかし昨今では一部事情が変わりつつあることに注意しなければならない。

派遣社員では生命保険の営業ノルマは存在しない、というかノルマを設定しようがない

生命保険会社に派遣社員として働いている人はそれなりの人数がいる。しかし、今も昔もおそらく将来も、法改正でもない限りは派遣社員が生命保険の営業ノルマを押し付けられることは絶対にない。

生命保険のノルマを押し付けられるためには当然生命保険を売れなければいけないが、生命保険を売るためには『生命保険募集人』という資格が必要だ。この資格を取得するためには『生命保険会社に所属しているか、生命保険代理店に所属する社員』である必要がある。派遣社員は所属している会社が派遣会社であるので生命保険を売るための資格を取得することができない。

よって生命保険会社としてもノルマを押し付けようがない。

もっとも、営業所などの事務に派遣されたら職場の生命保険セールスたちに生命保険を勧められるかもしれないが。

正社員の事務職員が自分の親族・友人・知人に生命保険を勧めるノルマはない

正社員の事務職員でも営業ノルマはほとんど存在しないといってよい。

派遣社員と違い、正社員の事務職員は『生命保険募集人』の受験資格があるし、実際取得させられるので生命保険を売ることはできる。そして、一応多くの生命保険会社が正社員の家族や友人等に生命保険を売ってくるよう『推奨』している。一応部署ごとに『販売ノルマ』のようなものがあったりする場合もあるが、有名無実で実質的にノルマとはとても言えない。親族や友人・知人に生命保険を売らなくとも人事評価にも影響しない。
一応、生命保険を販売すると手数料が通常の給料とは別でもらえたりするので、一部の正社員には小遣いがてら生命保険を売る人もいるが趣味の領域と言ってもよい。

一般職でも営業関係業務を行うことが増えている

しかし最近はシステムの効率化や派遣社員など非正規社員の活用により、正社員の一般職の人が行う事務仕事は減る傾向にある。そこで多くの生命保険会社が正社員の一般職に事務仕事ばかりでなく営業関係業務をやらせることが増えている。

営業関係業務とは生命保険セールスたちの育成だったり、顧客への同行訪問だったりと、それまで総合職がやっていたことを一般職の人も行うようになった。ここでの販売ノルマはあくまで生命保険セールスや総合職に課せられているもので、一般職のもともと事務職を志向していた人たちがノルマを負うことはおそらくない。

しかし、顧客訪問をするようになり場合によっては生命保険の説明などもするようになると考えると、ノルマはなくとも売る仕事には躊躇してしまう人もいるだろう。そのような仕事をさせられることもあり得るのは踏まえておくべきかもしれない。

総じて、生命保険会社の事務職は総合職やセールスたちのようにゴリゴリのノルマをかけられ、毎日上司から営業数字の見込みを聞かれ胃を痛めるような事態はない。しかし、一部では営業関係の仕事をすることもあり得るというのは、これから生命保険会社の事務職を目指すと言う人は頭に入れておいたほうがよいだろう。