『40代に入ったら生命保険はこれくらいかけたほうがいいですよ』
ある生命保険の販売の現場でセールスや代理店から発せられる衝撃の一言だ。無知につけこむ最悪の商売手法である。ヘタをするとつけこんでいることすら意識にない、知識レベルの低いセールスが適当に発言したりする場合も、冒頭のように言ったりする。
今日も無知な40代が騙されるのだ。もう人生40年を過ぎた人でも生命保険の販売現場ではとても簡単に騙される。
しかし、冒頭の発言の何がおかしいのか記事を読み終わった後には分かっているので安心してほしい。
禁断の疑問『今○歳なんだけどいくらの生命保険に入ればいい?』
まず、認識を改めなければならないのは、顧客側から『いくらの生命保険に入ればいいのか』などという疑問を発してはいけない。これを言った瞬間、あなたはセールスの自由勝手に料理されると思ったほうがよい。あなたが一度『いくら入ればいいのか』などという疑問をぶつけたら、セールスはあれこれもっともらしい理由をつけて、もっともらしい金額を提示する。思わずあなたは納得させられてしまうはずだ。
例えば5000万円という金額の生命保険は一般の人には明らかに過剰だが、平均的な人に5000万円の保険を売りつけるセールストークは存在している。詳細は省くが、それくらいできないようでは生命保険セールスはやっていけないのだ。
生命保険セールスやFPにいくらの保険に入ればいいか聞く前に、最低限自分で勉強しなければならない。正直なところ生命保険セールスやFPにいくらの保険に入ればいいか聞くくらいなら、Yahoo知恵袋のほうがよっぽど中立的で良い回答があったりするくらいだ。Yahoo知恵袋では玉石混合だから、ここで学んでいこう。
40代の人が入るべき生命保険の金額?そんなの知らん!
では、40代の人が入るべき生命保険の金額はいくらなのか。
答えは『そんな質問に答えを出すのは、30年後の日経平均株価がいくらになっているかを答えるほど難しい』だ。
端的に言えば、答がないのだ。
あなたは考えたことがあるだろうか。40代の人が世の中にどれだけいて、それぞれが、性別も収入も家庭環境も考え方も違う。それぞれに最適な生命保険は当然色々な要素に左右される。いかなる他人の生命保険の金額もあなたにとっては参考にならない。あなたの同僚が『3000万円の生命保険に月2万円払っている』などと言ったとしても、あなたはその同僚と同じではない。あなたには子供が4人いるが、その同僚は2人かもしれない。あなたの子供はまだ小さいが、同僚の子供はもう高校生かもしれない。
考慮すべき要素が多すぎるため、同僚の生命保険などあなたには何の役にも立たない。
40代の人が入っている生命保険の平均がいくらか?そんなの気にしてもあなたには何の関わりもない
人はわからないことがあると平均を追いたがる。周りの人と同じだとなんとなく安心だからだ。
40代の人が入っている生命保険の契約額の平均は2248万円で、支払い保険料の平均は31456円だったとしよう。(この数字は仮の数字で本物ではない)平均は確かに計算できるが、先も言った通り、それぞれ事情が違う人の数字を均しただけの数字だ。もはや平均という数字は誰か特定の人の事情を反映した数字ですらない。もちろんあなたの事情に近いわけでもない。
あなたの諸々の事情では最適な生命保険の契約額は3460万円で保険料の支払いは25000円になるかもしれない。もしかしたら必要な生命保険の金額は546万円で保険料支払いは3267円が適切なのかもしれない。
もしあなたが、あなた自身の事情に合った生命保険を考慮することなく、平均などという実態のない数字を追いかけたらどうなるか。保障が足りなかったり、保障が過剰すぎて保険料が無駄になるだけに終わるかもしれない。
平均を追うことは無価値であるだけでなく、もはや有害ですらある。
生命保険を考慮するにあたり40代であることが関係する事情はあるのか
誰かの生命保険や平均値を参考にすることが無意味なのは分かっただろう。それでも40代で考慮しなければならない生命保険の選び方のようなものがあると思われるかもしれない。
ああ・・・あるにはある。40代にもなれば、保険会社によっては契約金額に制限がかかり始める年齢だから、加入するなら早く!ということくらいだ。
でもたいていのことはあなたの年齢ではなく、その他の事情に契約金額や支払い保険料は左右される。40代だろうが50代だろうが60代だろうが、保障が3000万円必要な事情があれば年齢は関係ない。もちろん年齢が高くなれば同じ契約金額でも保険料が高くなるので予算と相談する必要はある。しかしそれは年齢と相談するのではなく、自分の財布の中身や収入金額と相談するべき問題だ。
結局いくらの生命保険に入ればいいのかどうやって決めるの?
いくらの生命保険い入ればいいのかという疑問は年齢によって画一的に決まるのではなく、あなたの事情に則した契約金額を決めなければならない。そのために当サイトのメインコンテンツは生命保険の適切な選び方を解説している。あなたはこれを読み、『いくらの生命保険に入ればいいの?』という疑問に対して、自分で答えを出してほしい。その努力を怠ると、セールスのいいように不必要に高い保険に入れられる末路となるだろう。『40代の方にはこの生命保険が最適です』という平均で安心させるセールストーク付きで。
いくらかは自分で決めなければならないと言っても、それほど難しいものではない。抑えるところを抑えてしまえば、あなたにとってかなり適切な保障額を算出できる。