生命保険に複数入っている人は保険金を受取するとき全部もらえる?

保険にたくさん加入していると、いざ保険金を受取するときどこからもらえて、どこがもらえないのか分かりにくい。

あなたもたくさんの保険証券と机の上で見つめあったまま素直におしゃべりできないのではないか。もちろん保険証券は物を言わないので、あなたが行動する必要がある。

しかし、生命保険だけでなく、自動車保険、傷害保険、相手からの賠償保険など状況によっては色々なところから保険金を受け取れる場合がある。完璧に手続きし受取できるものはすべて受け取っておきたいところだ。

損害保険と生命保険から同時受取は可能?

まずは第一段階で、生命保険と損害保険が同時に保険金受取に絡む場合だ。生命保険と損害保険(例えば自動車保険など)は、それぞれの受取条件に合えばどちらからも受け取れる。

例えば、交通事故でケガをし、生命保険の契約から医療給付金を受け取れ、かつ、自動車保険の人身傷害保険からも給付金を受け取れる。自動車保険の人身傷害保険は相手方の自動車保険の契約との兼ね合いはあるが、自分の生命保険契約の給付金は全く影響を及ぼさない。
逆に、自動車保険や傷害保険でいくら給付されようと、生命保険の給付金額には一切の影響がない。
生命保険と損害保険はまったく個別に考えてよい。

生命保険に複数加入している場合、全部受取できる?

生命保険に複数入っている場合は基本的にあなたが加入している全ての契約から給付金がもらえる。
もちろん、受取条件に合致していることが必要なのは言うまでもない。

同じ生命保険会社で、複数の生命保険に加入している場合

あなたがA保険会社に全く同じ、「万一の備え」という死亡保障の保険に2000万円、3000万円と複数加入していたとしよう。
もしあなたが亡くなってしまった場合には、きちんと2つの「万一の備え」の契約から死亡保険金受取人に2000万円、3000万円と保険金が支払われ、受取人は合わせて5000万円の保険金を受取できる。

特約なども受取条件に合致するものはきちんとすべて受け取れる。

複数社の生命保険会社で加入している場合

あなたはB保険会社で「家族のために」という死亡保障2000万円、C保険会社で「遺族の生活」という1年間100万円(20年間受取)の年金受取式の死亡保障、そして同じくC保険会社で「あなたの想い」という2000万円の死亡保険に加入していたとしよう。
やや過剰な保障であるが、ここでは問題にしない。
ここで、もしあなたが亡くなってしまったら、B保険会社から2000万円、C保険外会社から2000万円と20年間にわたって100万円死亡保険金受取人に支払われる。

複数社の保険会社に4社、5社と複数加入していても、受取条件に合致すればすべて支払われる。

複数加入してしかも合計金額が大きい場合はきちんと受け取れる?

あまりに多くの契約に加入していると、契約金額が大きくなる。

例えば、「全部の契約の死亡保険金額足したら1億5千万円になっていた」などという場合だ。

この場合でも有効に継続している契約であれば、支払条件に合致した際すべて受取できる。

加入金額が大きくなると、加入する段階で大きい契約は加入できなかったりするが、加入時に保険会社が大きい保険金額での加入を認めてしまえば、いざ受取の段階で文句を言われることはない。加入時にあなたの職業、健康状態で加入できる上限金額を審査される。危険な職業の場合は加入できる上限の金額が下がる。例えば、爆発物を管理するような職業は上限が5000万円と制限され(上限金額の規定は保険会社によって異なる)、登山家などは場合によっては加入すらできない。

しかし、加入時の審査が通ればいくら加入していようと受け取れるものは、全てきちんと受け取れる。

生命保険に複数加入してもきちんと受取できるのは分かった!じゃあ複数加入にメリットあるの?

あなたがすでにたくさんの保険に加入してしまっている場合、万が一の事態になっても、あなたの保険は全て役に立つ。しかしながらたくさんの保険に加入することにメリットはほとんどない。特に同じ保険会社で同じ保険種類、例えばA保険会社の「万一の備え」という死亡保障に1500万円で3口加入している場合などはメリットなどまるでなく、デメリットばかりだ。付き合いや人情、あるいは親戚関係で生命保険に加入してしまう人はこうした状況が起こりやすい。

もう一度言おう。

複数加入は明確にあなたに損をもたらすデメリットは多い。しかし、複数加入はあなたにメリットをほとんどもたらさない!下記のメリット・デメリットを解説した記事を読めば、複数加入に意味がないどころか損をすることがすぐわかる。可能なら早めに契約を整理し、分かりやすい形で加入すべきである。

複数の生命保険に加入することにメリットはあるの?

複数の生命保険に加入するとデメリットばかりで笑える