複数の生命保険に加入することにメリットはあるの?それが・・・

世の中には生命保険にたくさん加入し、しかも複数社にまたいで生命保険を複数加入している強者もいる。

しかし彼らは、素晴らしいメリットがあると思って、そうしているわけではない。多くの場合が、『親戚、友人知人に頼まれて加入した』、『セールスの人にどうしてもと頼まれ、断りづらくて・・・』といったことが原因だ。それでも『複数加入することは何らかのメリットがあるはずだ!』と思っている人もいることだろう。

そこで私が『生命保険に複数加入することにある、限定的な、ミジンコのような大きさのメリット』をお話ししよう。ちなみにメリットの大きさがミジンコなら、デメリットの大きさはライオン程度にはあるだろう。(少なくとも、メリット<<<デメリットなのは確かだ!)もちろんデメリットのほうが大きいと主張する以上、デメリットの解説もまとめたので、以下の記事を参考にしてほしい。

複数社の生命保険に加入するメリット

まずは様々な保険会社に加入することのメリットだ。考え付く限り3点ある。とはいうもののいずれも大したメリットではないことに注意が必要だ。

第一の利点は、保険会社ごとに商品の特徴が違うので色々選べるという(どうでもいい)メリットだ。特に医療保険などは顕著だ。健康保険の自己負担分を給付する保険や、成人病の手術等で一時金を出すなど、様々な種類の保険がある。様々な保険会社の商品を加入することで隙間のない保障を構築することができる。だが、隙間のない、多くのリスクに対応した保障など無駄が重なるばかりなので、それほど有効なものとは言えない。加入する前にきちんと調べ、自分に合った保障にしぼることが重要だ。

次に挙げられる利点は、加入する保険会社を分散させることで保険会社が倒産した際のリスク回避になる。A社だけに集中して加入すると、A社が倒産した際、全ての契約が影響を受けるわけだが、分散して加入すれば、1社潰れても影響は小さくて済む。しかし、今さら保険会社がつぶれることを心配するような時代ではない。加えて、もし保険会社が倒産しても、掛け捨ての保障は9割以上保障されることが多い。削減の幅が大きいのはまずは貯蓄性保険だ。よって、保険会社で多額の貯蓄性保険にかにゅうしなければ、保険会社の倒産リスクについてことさら深く考える必要はない。

3つ目の利点は、他社の保険の悪口を聞ける点である。1社しか加入していない人は、他の保険会社の人間と出会うことが少ないので、自分が加入している保険の欠点を聞くことができない。複数社の保険に加入する人は、それだけ多くの会社のセールスが出入りすることになるので、互いの保険商品のけなし合いになる。自分の保険が本当にいいものかどうか気づく機会が多くなる。だが、現在ではFPなどでもそのような役割は果たせるし、セールスなどに頼る必要があまりない。何よりもセールスの言うことを聞くことにデメリットが多い。

結局のところ、複数の保険会社に加入しても、生命保険はほとんどメリットがないと言ってよい。

一つの生命保険会社の中で生命保険を複数加入することのメリット

そんなものはない!屁理屈やこじつけが得意な私でも何も思い浮かばない。

1つの保険会社だけで、複数の保険に加入すると、先に述べた倒産リスクの分散もできない。複数の保険が1社にまとまっているので、諸手続きが1社で済む点がメリットと言えばメリットかもしれない。

もう一つ、強いて言えばセールスとの関係性が深まるだけか。親しくなるだけで、保険料の割引などない(そもそも保険業法で正当でない個別の保険料の割引は禁止されている)せいぜい、どうでもいいようなキャンペーンの案内が増えるくらいだろう。保険料をたくさん払う見返りとしてはあまりにも小さい。そもそも、セールスと親密になればなるほど、セールスの言葉を信じやすくなる。結果、あなたがよくわからないままとんでもないものに加入させられるリスクが上がる。

生命保険に複数加入すると結局デメリットばかり?

ここまでで、生命保険に複数加入する、あるいは複数社に加入することにメリットがほとんどないことが分かったと思う。
もし、ここであなたが生命保険にわざわざ複数加入することにメリットを感じて、加入する数を増やそうなどと思ったら、その前に次の記事を読むべきだ。

生命保険の複数加入にメリットは少ない。それも、メリットと言えるかどうか怪しいレベルだ。しかしデメリットはきちんとしたデメリットがたくさんある。デメリットもきちんと理解すれば、生命保険に複数加入することなど考えなくなるし、『なるべくシンプルに加入する』ようになるはずだ。