生命保険に複数加入してもメリットなどごくわずかだ。
逆にデメリットはたくさんある。同じ種類の生命保険に複数加入するとデメリットはそれだけ増える。きつい言い方になるが、たくさんの生命保険や医療保険、しかも同じ種類の保険に複数加入している人はすぐに整理することを考えたほうがよい。
生命保険を複数加入すると保障と関係ないお金ばかり支払うことになる
生命保険に複数加入するとそれだけ、無駄な保険料を支払わなければならない。これは一箱60円のティッシュペーパーと、同じものが5個セットで250円で売っているのに、わざわざバラで5箱買う行為に似ている。しかしティッシュペーパーと異なり、生命保険は値段の桁が大きいので、バラで加入する影響は大きくなる。
生命保険は、通常の商品と同様、原価(生命保険の場合は原価とは呼ばないが、保障そのものに必要な保険料)とその他管理費等(セールスの人件費だったり広告費だったり)に、あなたが支払う保険料を分解できる。これは生命保険1契約あたりに設定されていて、どんなに小さい保険だろうと固定でかかる管理費等が存在している。
例えば、ある生命保険が1契約あたりの経費が月あたり固定で300円などと設定されていれば、1000万円の生命保険を5口加入して、5000万円の保障を得るのと、5000万円の生命保険1口を加入するのとでは、契約の経費部分で支払う保険料にかなりの差がでる。前者だと、300円×5口で月あたり1500円も保障と関係ない保険料を支払わなければならない。後者なら300円だけでよい。
このように同じ5000万円の保障でも加入の仕方によっては、あなたは保険会社に無駄なお金を貢ぐ結果となる。生命保険に複数加入すればするほど、無駄な経費を支払わなければならなくなるので、なるべく少ない契約数で生命保険に加入したい。
生命保険を複数加入すると手続きが非常に面倒になり、費用もかさむ
生命保険契約の保険金請求、住所変更など諸手続きは1契約ごとに行わなければならない。同じ生命保険会社で加入していれば、簡単な手続きであればまとめて手続きできる場合もあるが、そうでない場合もある。違う生命保険会社に分散して加入していたりするとその苦労は何倍にもなる。手続きの度に各社に連絡を取り、各社ごとの請求書のフォーム、各社ごとの必要書類を用意しなければならない。
医療保険の給付金を請求する場合は、医師の診断書が必要になる場合がある。これがなかなか高価で、5000円程度する場合もある。一部診断書の費用を負担してくれる保険会社もあったりするが、複数の保険に加入していたりすると、契約ごとに診断書を取る必要があるかもしれない。当然費用はそれに応じて高くつく。
死亡保険金手続きの際など、契約者本人ではなく、遺族が手続きを行わなければならない。例えば、3社分の戸籍謄本を用意するなどすればそれだけ費用がかかる。これで契約ごとに受取人が違ったりすると、保険金受取の手続きの際地獄を見るだろう。用意しなければいけない戸籍謄本も変わってくるからだ。
複数の保険会社からのセールスがうっとうしくなる
保険会社のセールス達は常に新規で保険を加入してもらおうとあなたに攻勢をかけてくる。複数社で契約していたりすると、その苦労が2倍3倍となる。あなたが営業を断るだけでも気を使うような人ならば、セールス達を追い返すだけでもストレスになるだろう。もちろん相手方はそんなことを気にせず何度も営業をかけてくる。セールスたちとの接触など得なことはほとんどないのだから、可能な限り保険会社との接点は少なくしたい。
生命保険に複数加入すると、デメリットがあなたの財布を圧迫する
結局のところ、生命保険に複数加入するというのはデメリットばかりなので、まったくお勧めできない。
すでにたくさん加入してしまっている人は、加入している先や契約本数をしぼることを検討すべきだ。いや、しなければならない!
生命保険は1か月に支払う保険料が大きい。スマートフォンの通信費など及びもつかない場合がある。契約を整理すれば、支払う保険料が減ることはほぼ確実だ。必要な保障を確保し、保険料支払いをスマートにしたい。
すでにたくさん加入していてどのように見直せばいいかわからないという人は、当サイトのメインコンテンツ「生命保険の選び方」で勉強すればよい。初心者が順序立てて読んでいけば、最適な保険があなた自身で見つけられるように作っている。もちろん新しく加入を検討している人も読んでほしい。生命保険を複数加入することなど考えもしなくなるはずだ。