生命保険の営業の仕事をしていると、売り上げ目標に苦しむことは多い。
上司は毎日のように売上見込みを確認してくるし、あまりに成績未達が続くと生命保険セールスですらいられなくなり、生命保険会社を退職したり代理店資格をはく奪されたりする。
目標達成まで追い詰められたとき友人・知人に営業をかけることもあるだろう。
しかし、友人・知人に生命保険を勧めると嫌な顔をされて、あげくの果てには友達をなくすことになると心配している生命保険セールスは非常に多い。
実際のところはどうなのか。
生命保険の営業をすると友達をなくすのは事実であり、事実ではない
生命保険の話を友人・知人にすると友達を無くす場合
私は長いこと生命保険の営業の仕事をしていたが、営業の仕事を始めたころは確かに友達をなくした。
長く会っていないどころか、連絡すらとっていなかった友人・知人に電話をかけるのだ。相手に『久しぶり』とは思われるが『突然なんだろう』とも思われるだろう。様々な建前の理由をつけてとりあえず会う約束をとりつけるまではたいていの場合問題ない。『そっちの近くに引っ越した』『この間同窓会があって、そういえばあいつはどうしているかなと思った』などと理由などいくらでもつけられるものだ。
さて、友人にとっては、いざ会ってみたらなつかしい話はそこそこに、生命保険の話題をきりだされるのだ。友人たちはここで気づくだろう。
『ああ、営業のためだったのね』
たいていの場合はここでまず不信感を獲得することができるだろう。旧交を温めるわけではなく、自分はお金や成績目当てのためだったのか・・と
当然生命保険に興味のない友人は加入してくれない。付き合いで加入してくれる友人もいないこともないが、成績が窮地に陥る度にそうした友人をまた頼るようになるだろう。結局はどんな友人も加入してくれなくなるだろう。そして、友人のネットワークで『あいつに会うと生命保険を勧められるから合わないほうがいい』などと噂され、友達の数を減らしていくことになるのだ。
こうしたことが起こっているのは、過去の私に限った話ではなく生命保険営業の現場ではごくありふれた事実だ。
生命保険の話を友人・知人にしても友達を無くさない場合
今では私が友人・知人に生命保険の営業をかけても嫌われたり、関係を断たれることもない。
それどころか、『生命保険のことはあいつに聞くといい』と友人のネットワークで噂されている。こちらから連絡を取らなくともわざわざ友達のほうから相談にくることも多い。私は生命保険の話をして友達を納得させ、友達は満足で、あるいは『今すぐに生命保険を見直さなければならない』といった顔をする。有益な情報を提供した私は友達に感心され感謝される。
いったい先ほどとの違いはなんだったのだろうか。
友達に生命保険を勧めると嫌われていた頃の私とそうでなくなった私の違いは何か
生命保険の話をすると友達に嫌な顔をされていた頃の私は不誠実でスキルが足りなかった。
まず、『懐かしいから久々に会おう』などと、本来の目的を伝えないまま、会ってから生命保険の話をするのだ。友達としては私に会うのはあくまで『旧交を温めるため』だったはずだ。しかし、それが大なり小なり裏切られるわけだ。このような裏切りをする相手とまともに商取引をする人はよほどのお人よしだろう。
また、生命保険の話を実際に始めてからも稚拙だった。
『うちの会社の商品はこことここが良くって・・・』とか『あなたの入っている生命保険はどんなの?』とか、ひどいと『今月の成績がピンチで・・・』などとやり始める。まったく顧客の事情を無視した言いぐさだ。友達はうんざりし『早く帰りたい』と思うようになるだろう。
一方、嫌われなくなった私の取るやり方は以下のようになった。
まず、友人・知人だろうと、初めて会った人であろうと、『私は生命保険の営業の仕事をしています。生命保険のことで気になることがあったらぜひご相談ください』と話す。こちらから積極的に『私に関わると生命保険の営業をかけますからね!!』と半分自虐的にアピールする形だ。
特に、新しく友人・知人になっていくであろう人にはこの手法は大変効果的だ。周囲の人に『友人の一人のAさん』と認識されるか『生命保険の専門家のAさん』と認識されるかは、いざ営業をするときに気持ちの楽さはかなり違う。他人にとってはこちらから積極的にアピールするだけなら『よくやる人だな』程度の認識におさまる。せいぜい呆れられる程度だろう。
さて、事前に『生命保険のAさん』と友人・知人に認識させておくだけで、その友人・知人たちが保険関係でちょっと気になったことがあると全ての話が私にくるようになる。中には取るに足らない、とても商売につながらなそうな話もある。極端な話、生命保険の話でなくゴルファー保険の話だったりするときもある。極まってくると保険ですらなくなり、投資信託や不動産投資の話になる。
私は全てのちょっとした質問に全力で答えた。そのため自動車保険だけでなく、投資信託や不動産投資の話でも必要とあれば勉強した。『あいつの話にすれば何かしらためになる』と思われれば、私は友人・知人にとって役に立つ人間になっているということだ。
もう、生命保険の話をこちらからきりだしても嫌な顔をされることはない。
生命保険の営業の仕事をしているとアピールし、スキルを磨け!
『それでも生命保険の話をこちらからするのは気が引ける』と思われるかもしれない。しかし、あなたがあれこれ悩んでも決していい結果にはならない。
あなたがテレビを買う必要ができたとしよう。
『相手になんとなく悪いから』と自信なく引け目を感じながらテレビを勧める電気店の営業マンと、『俺の言うことは専門的で正しい』と自信満々にテレビを勧める電気店の営業マンのどちらから、あなたはテレビを買いたいだろうか。言うまでもないだろう。
自信なさげに営業をすればするほど、買う側は不快に感じる。友人・知人であればなおさらだ。あなたはいますぐ自信満々に『私は生命保険の営業の仕事をしています!』とアピールし、いざ商談になれば『私の言うことが正しいのになぜあなたはこの保険に加入しないのか』という気持ちで営業しなければならない。
友人・知人に『お願いする』営業から、友人・知人に『あなたから買いたい!』と思わせる営業にならなければならない。
そうはいっても、『自分の営業スキルに自信がない』という人も多いだろう。もちろん根本的な問題はそれなのかもしれない。
しかし、安心してほしい。私も生命保険の営業を始めて長い間、あなたと同様かそれ以上に友達に嫌われ、悩んだ。ところがあるきっかけにより、私は『あなたから買いたい!』と思わせる営業になることができた。もちろん収入はあがり月150万円を伺うくらいにまでなった。
友人・知人に生命保険を勧めても友達を無さなくて済むように、そしてあなたの売上を上げるためにも、そのきっかけをあなたにもつかんでほしい。
次の記事には、私がいかにダメな営業だったか、そしていかにして浮上するきっかけをつかんだかをまとめてある。ぜひ参考にしてみてもらいたい。