生命保険営業で迷う顧客に決断させるクロージング話法とは

生命保険営業で数多くある最も悔しい場面の中の一つが、いい雰囲気で商談が進んだにもかかわらず顧客が決断をあいまいにし、商談が流れてしまうことだ。あなたの説明は完璧で顧客も納得しているが、最後に申込書を顧客に書かせることができない。こんな事態は意外に多いのではないか。

これは非常にもったいないことだ。あなたの営業スキルは契約目前までこぎつけられるほどの実力であるのに、それが売上につながらないのだ。

『申込書を出したら断られそうで不安だ・・』

『なんて言って申込書を書かせるのをお客様にきりだしたらいいかわからない・・』

あなたもこんな不安をかかえているのではないか。

しかし心配する必要はない。あなたが契約目前まで来れるほどのスキルがあるなら、このクロージングの問題はちょっとしたスキルと勇気の問題である。

多くの生命保険セールスがやってしまう最低のクロージング話法

クロージング話法はそれほど難しいものではないが、話法を知らないと契約がいつまでたっても取れないということになる。

よくある失敗の話法を紹介しよう。

『ではよくご検討ください。後日お返事を伺います。』

自身のない生命保険セールスがやってしまいがちな話法だ。一通り必要な説明が終わって、顧客も特に断る雰囲気ではなくむしろいい感触を得ているのに、顧客が沈黙しているのに耐えられず顧客に決断の猶予を与えてしまうパターンだ。自信がないセールスがよくやるパターンだ。

顧客が特に反論も断りもしていないならあなたの説明は十分顧客にとって受け入れられる内容だったと判断しなければならない。あなたはその場で申込書を書かせなければならないのだ。そもそもこれはクロージングしていないのでクロージング話法とすら言えない。もしあなたがクロージングをしなければならない場面で顧客の決断を猶予するようなことをしているのなら、あなたは逃げているだけに過ぎないことを自覚するべきだ。

クロージング話法で抑えるべき絶対必須のフレーズ

クロージングで最も大事なことはこちらから顧客に決断を迫ることだ。生命保険営業の現場では、顧客は基本的に自分から決断しない。顧客は『じゃあ申込書出してください』などと決して言わない。
顧客に決断を迫るために、100%抑えなければいけない話法がある。たった4文字だ。これが全ての基本だ。

『それでは』

もちろん『さよなら』の意味ではない。『それでは』の後に言葉は続く。

この一言を言えるかどうかがクロージングができるセールスとそうでないセールスの分かれ目になる。

この一言は自信のないセールスにとっては非常に勇気のいるフレーズだが、これを言えないと話にならないことを覚えておこう。

最も簡単なクロージング話法

さて、一通り生命保険の説明が終わってお互い沈黙しているときに、あなたは『それでは』というフレーズを言うことができた。

それに続く言葉がクロージングの本番となるわけだが、『それでは』の後は非常にバリエーションが多い。売れる生命保険セールスそれぞれ使っている話法がある。
しかし、最も簡単かつ効果的な話法がある。余計な知識など不要な基本と言ってもよい話法だ。

『それではこちらが申込書になります』

非の打ちどころがないほど完璧だ。私は生命保険の説明を一通り終えて顧客が特に反論も断りも質問もせず会話の流れが止まったときにかならずこの言葉を使う。他の言葉を使ったことなどない。
もしあなたがクロージングに自信がないのならこの言葉はものすごく強く聞こえるかもしれない。

しかし、顧客が黙っているということはその場面では特別生命保険を申し込むことに反対はしていないのだ。申込書を書くことを迫れば大抵の顧客は書くだろう。顧客側から気になることが改めてでてくるかもしれないが、そうしたら再びそれに対応するだけだ。顧客の質問に答えきったら再び『それではこちらが申込書で・・』とやってしまえばよい。

とにかく顧客に先に『それでは検討しておきます』などと言わせてはいけない。それを言わせたらこちらは引き下がるしかないからだ。とにかく顧客の背中を押すのは常にセールスの役目だと認識しよう。

迷う顧客の背中を押すクロージング話法

迷う顧客の扱いは非常に難しい。対応を間違えるとその顧客は永遠の見込み客になる。その時クロージングできないと、次の面談時でも迷い続けたままだろう。回数を重ねるほどクロージングは難しくなる。
そのため決断を迷っている顧客に対しては逃げ場をなくしていかなればいけない。

具体的には顧客の懸念事項を一つ一つつぶしていけばよい。懸念事項を丁寧につぶしていけば、顧客はそのうち沈黙する。沈黙させたらあとは簡単だ。さきほど説明した『それではこちらが申込書になります』でよい。

さて、顧客の懸念事項を一つひとつあぶりだしていくために必要な話法とは何か。率直に言えばよい。

『気にされていることはどのようなことですか?』

迷っているのなら曖昧にせずかならずその場で解決しなければならない。解決しなければ顧客が沈黙することはない。顧客が沈黙しなければ、申込書を出すことができない。顧客が煮え切らない態度だからといって逃げずに真っ向勝負を挑もう。このフレーズはそれほど角が立つ言い方ではないはずだ。

クロージングをスムーズにするためにはそれまでのプロセスが重要

クロージングに自信がないのは結局のところ、そこに至るまでのプロセスがしっかりしていないことが多い。

顧客へのアプローチの仕方、どのように顧客に興味を持たせるか、ニーズ喚起の話法などあなたが生命保険を売るためには習得しなければならないスキルは多い。私も最初はクロージングだけ切り出して、どのようにクロージングをすれば売れるのかということばかり気にしていた。まるでクロージングがしっかりしていればそれまでの説明が悪くても売れるかのように勘違いしていた。すばらしいクロージングはどんな顧客でも成約してしまうものだと思っていた。

しかし、実際には違う。クロージングは本当に最後の詰めでしかない。それまでのプロセスがしっかりしていれば、クロージングなど顧客を沈黙させた上で『それではこちらが申込書になります』程度でよい。

私はきっかけを得るまでアプローチからニーズ喚起、そしてクロージングまでを一連の流れとして考えられていなかった。しかし、アプローチからニーズ喚起まで自信を持ってできるようになってからは、クロージングも自然と自信を持てた。

今、あなたがクロージングのやり方に悩んでいるのなら、アプローチからニーズ喚起の手法をさらに改善する必要がある。それができればあなたはもっと多くの売上をあげることができるようになるだろう。

もしあなたが劇的に営業スキルを改善し、もっと多くの収入を得たいなら↓の記事を参考にするとよい。私が売れないセールスから、売れるセールスになったきっかけや手法をまとめてある。