生命保険のクーリングオフのやり方から条件まですべてわかる

生命保険を申し込んだが、やっぱりやめたい。でも、担当セールスに伝えるのはちょっと気が引ける。

そうだ!クーリングオフがあるじゃないか!

そんなことを思ったあなたのために、生命保険のクーリングオフに関わることをここですべて解説しよう。

生命保険をクーリングオフするための条件(通常)

クーリングオフするためにはまず、申し出る有効期間があるので注意しよう。

クーリングオフをするためには、以下のいずれか遅い日からその日を含めて8日以内に書面で保険会社に申しでる必要がある。

  • 申込日
  • クーリングオフ制度について記載された書面を受け取った日(通常は『ご契約のしおり』や『重要事項説明書』)

一般にクーリングオフは書面によるので、電話や担当セールスに『クーリングオフします』と口頭で伝えるだけでは効力を生じない。たいていの保険会社はクーリングオフをするために、本社または支社にクーリングオフをする旨を記載した書面を送付するよう求めているので注意しよう。

さて、申込日またはクーリングオフについての書面を受け取った日を含めて8日以内とはどういうことかというと、下図のようなイメージだ。

生命保険をクーリングオフするための条件(インターネット系生命保険)

近年、インターネットのみで生命保険の申し込みを完結させてしまう生命保険会社が何社か登場している。

その場合はクーリングオフの有効期間の起算日となる申込日はどのように判定するのか。

一般に、インターネット生命保険の場合はウェブサイトの申込画面で入力が完了した日から、その日を含めて8日以内であればクーリング・オフすることができる。

生命保険をクーリングオフするための書面の書き方は?理由は必要?

真面目な人はわざわざ理由をつけて丁寧な書き方でないとクーリングオフできないなどと心配してしまうかもしれない。しかしそんなことを気にする必要はない。

以下のような書き方でかまわない。

○○保険株式会社  御中
私は○月○日に申し込んだ下記契約の申込み
を撤回します。
申込者(契約者) ○○○○○
保険種類 ○○○○○
一時払保険料 ○○,○○○,○○○円
住所  ○○県○○市○○町○‐○‐○
電話番号  ○○○‐○○○‐○○○○
氏名 ○○○○○

見ての通り理由など必要ない。『セールスが無礼だった』とか『むしゃくしゃしてやった』とか『FA宣言するから』などの理由は一切いらない。淡々と必要なことだけ書き保険会社に送りつけよう。

切手を貼ったり、消印日がクーリングオフ期間内になることだけ注意しよう。

念の為、保険会社のコールセンター等に連絡し、クーリングオフするための書面はどのように書けばよいか確認するとよい。

さらに、郵送するときは内容証明で送りつけるとなお完璧だ。『クーリングオフの書面など届いていない!』と保険会社に言わせないためだ(そんなことを言わないと思うが)。

生命保険をクーリングオフすると何かペナルティはあるの?

クーリングオフは申し込みの撤回である。新規加入であれば何事もなかったことになるし、転換や見直しの場合は、転換前・見直し前の契約に戻るだけだ。クーリングオフしたことによるペナルティは一切ない。あるとすれば、『なんでクーリングオフをしたんですか?』と聞いてくるセールスが多少うっとうしいくらいだ。セールスもシャットアウトすれば実害はまったくない。

クーリングオフは基本的に情報劣位にある消費者のための制度である。ペナルティなどありようもない。

生命保険をクーリングオフした場合すでに払い込んだ保険料は返金されるの?

生命保険を申し込みする際に第一回目の保険料を払い込むことが通常だ。払い込むと言っても最近はクレジットカード決済などキャッシュレスが進んでいるので現金で払うことは少ないだろうが。

クレジットカード払いでも手続きした際に保険料を払ったという買い物データは残っているのでそのままクレジットカードの請求はくる。

結論から言ってしまえば、多少返金に時間がかかる場合はあるものの、払い込んだ保険料は返金される。

当然だ。申し込みがなかったことになるのだから。

クーリングオフできない場合はある?

生命保険のクーリングオフはたとえ契約が成立していようと、申し出の有効期間内であれば利用できるが、有効期間内にかかわらずいくつかクーリングオフできない場合があるので紹介しよう。

  • 加入時・転換時の健康診査で、医師の診査を受けた場合
  • 保険の期間が1年以内の契約の場合
  • 契約の更新の場合(転換した場合は更新に当てはまらない)
  • 申込者が法人や個人事業主である場合
  • 債務履行の担保のための保険契約である場合(要するに住宅ローンに絡む団体信用生命保険)

クーリングオフについては下記の記事も参考になるだろう。

『生命保険を転換したがクーリングオフはできるのか?』『注意!生命保険の見直しはキャンセルできない!』