生命保険に加入するとき病気を隠したり嘘をついても必ずばれる!

生命保険に加入するとき必ず行う健康状態の告知。

病気がある人、あるいは過去に大きな病気をした人は生命保険に加入できるか心配だろう。特に最近は周囲から見ただけではよくわからない精神系の病気が増えている。

そして生命保険に加入したいがために、病気を隠したり嘘をついてまで生命保険に加入する人が一定数存在する。

しかし、そのようなことをしても完全にお金の無駄遣いである。

保険金が支払われるような事態につながる病気を隠し嘘をついても高確率で生命保険会社にばれるからだ。

病気を隠したり嘘をついて生命保険に加入したのがなぜばれるのか

生命保険会社には保険金を支払う事務仕事を専門に行う部署が存在していて、そこでは非常に多くの人員が働いている。そして日夜保険金や給付金の請求書とにらめっこしている。

さて、保険金や給付金を請求するときには死亡診断書や入院・手術したという診断書が必要だ。これは医師が書くものであり死亡した経緯や入院・手術をしたときの状況、なんの病気が原因だったのかが記される。そこに書かれた病気の経過が告知事項と矛盾があればそこで病気を隠して生命保険に加入したことがばれるのだ。

保険金支払いに携わる一般の事務員で見抜けなくとも、疑わしい案件はさらに専門の調査員が詳しく調べる。それらの調査員は重箱の隅をつつくような精度で告知義務違反がないかどうか詳細に調べる。

私は保険を販売していた頃、1度その調査員にお会いしたことがある。

私が契約当事者でも告知義務違反をしたわけでもない顧客の契約について根ほり葉ほり聞いてくるのだ。警察の尋問すらかくや、というようなうっとうしさだった。販売したときの経緯やその後の顧客の状況など少しでも手がかりを探すのだ。そして彼らは告知義務違反が疑われる案件があれば、病院にも照会をかける。加入者がかかった病院はさかのぼって照会をする。病院にはカルテが残っているので、もし嘘をついて加入していれば、どこかしらに証拠は存在しているのだ。彼らはそれを執念で追い続ける。

もし嘘をついていて、保険会社にはその手がかりになるようなことを一切言っていなかったとしても、医者には本当のことを伝えているだろう。例えばがんにかかっていて、以前かかっていた病院のことを伝えなかったり、どのような診断・治療をしたかを医師に伝えない人はほとんどいないだろう。自分の命を危険にさらしてまで生命保険契約を守る人は想像しがたい。

そう、加入者がかかった医師のうち誰かが知っているのだ。告知事項と矛盾する事実を。そこに調査員の手が伸びればついに告知義務違反がばれることになる。

病気を隠したことがばれるとどうなるのか

病気を隠して生命保険に加入したことがばれると、保険金や給付金は支払われない上、生命保険契約は解除となる。この際、すでに支払った保険料が返還される場合とされない場合があるが、告知義務違反の程度が悪質であると判断される場合は保険料の返還もない。まあ告知義務違反をしたら保険料まで返ってこないと考えるのが普通だ。

ただし、告知義務違反をしたことと保険金・給付金を支払う原因となったことについて因果関係がなければ保険金や給付金は支払われる。例えばある人が胃がんを隠して生命保険に加入したとしよう。その人が交通事故で亡くなり、保険金を支払う調査の段階で胃がんの治療をしていたことが判明し告知義務違反がわかったとしよう。通常胃がんと交通事故の間に因果関係は認められないものと思われる。その場合は保険金は支払われるのだ。まあ、『胃がんの苦痛により歩みを誤り道路に飛び出した』とか判定されると払われないのかもしれないが・・・

いずれにせよ、病気を隠したり嘘をついて生命保険に加入してもばれたら告知義務違反となり、保険金・給付金は支払われないまま契約は解除となる。保険料を払ってもまったく意味のない結果となるので、『病気を隠そう・生命保険会社を騙してやろう』などと考えるのはやめたほうがよい。