一般の人にとっては生命保険はとても大きな金額が動く商品である。
保険金が支払われる事態になれば、何千万というお金が受取人に支払われる。
しかし、実際にあなたが生命保険に加入する際に、『いくらの保険金が必要なのか』と考えると正確な数字はなんなのか、答に困るのではないだろうか。
1億円?それはさすがに大きいのではないか。
一般の人にとっては生命保険は1億円もいらない
一般の消費者レベルで1億円もの生命保険が必要な人はほとんどいない。
たいていの死亡保険は、一家の収入の大黒柱が亡くなった際の遺族の生活費の補てんに使われる。
遺族の生活費と言っても、全てを生命保険金で賄わなくてもよい。
遺族には、亡くなった人が加入していた公的年金からもらえる遺族年金もあれば、遺族自身の勤労収入もある。子供たちも独立すれば別家計になり、遺族の生活費負担も減るし、遺族が年を取れば、その人の老齢年金もある。
1か月の生活費に40万円も50万円も、もっと多くかける人でもない限り、生命保険金はどんなに多くても5000万円あれば十分足りるだろう。
よって、通常は1億円もの生命保険をかける必要はない。
『生命保険がいらない人ってこんな人』1億円の生命保険が必要な人はこんな人たち
しかし、1億円、場合によってはもっと多くの生命保険を準備しなければならない人たちもいる。
会社社長
中小企業の社長は、その人が会社のオーナーであることが多い。
会社の負債(つまり借金)に責任を負う立場であることがほとんどだ。
会社の負債は時に1億円を超えることがよくある。
製造業など、大きな設備投資が必要な会社であれば、設備投資直後は、大きな負債が残っていることだろう。
経営者やオーナーに万が一があった場合に備えて、そうした負債を返済する見合いとして1億円を超える生命保険に加入することはよくある。
お金持ちの相続対策
財産がたくさんある人は、相続対策をしなければならない。
ここで言う相続対策とは、細かい努力を要する相続税の節税のことではない。
財産がたくさんあると言っても、必ずしも現金やそれに近い形態のものばかりとは限らない。典型的なのが分割することが難しい不動産などだ。
分割することが難しい財産がたくさんあると、相続時に分配でもめる原因となる。その際は現金が相続財産にあると、一方には不動産など分割しにくい財産、一方には現金、という風に分割がやりやすくなる。
そのように相続時に現金を準備する方法として、生命保険金が利用されることがある。
医者
会社社長の場合と似ているが、開業医などは事業規模が小さくとも、医療機器自体が高額なので負債が大きくなりがちだ。
やはり会社社長やオーナーの場合と同様、万が一亡くなってしまった場合の負債の返済見合いとして生命保険が利用される。
このような契約もやはり1億円を超えるような契約となることがある。
以上、1億円もの生命保険が必要な人は限られることが分かっただろう。
基本的に、お金持ちと言われるような人々が1億円もの生命保険を使うという程度だ。
サラリーマンであればまず利用機会はないだろう。