お金を貯めることの大変さとお金を失うことの簡単さをきちんと知らない人は20年後に後悔する

スーパーのキャベツの値段がわずか10円上がっただけでも、敏感に察知し少しでも安いキャベツはないかと探せる人がたくさんいる。

キャベツでなくとも、タバコが値上がりすれば安い銘柄に切り替えたり、ガソリンが値上がりすれば1円でも安いガソリンスタンドで給油したりする。

安い物を探すための情報収集は自分で熱心に行ったりする。

一方で車や家を買ったり生命保険に加入したり投資信託を買ったりする時は何十万円・何百万円と損をするかもしれないのにろくに損得を計算しない。

『よくわからない』という理由で『専門家の意見』とかいう眉唾なものを簡単に信じたりする。

10円安いキャベツを探す情熱をそれら高額商品にも注げばよいだけなのだが・・・

毎月1万円払うと20年でいくらになるか

お金の大切さを世の中の人々はいまいち理解していないのではないか。

理解していれば10円の損得を惜しむ前に、毎月1万円無駄にしていることを即座に改善しようとするはずだ。

お金は突然増えたり減ったりはしない。

もちろん大きな買い物をすればあっという間に減るがそんなことはわかりきっている。

お金は長い時間かけて増えもすれば減りもするということを最も理解しなくてはいけない。

もう一度言う!お金を考える上で大切なことは時間だ!

とても簡単なことで毎月1万円貯めれば、20年で240万円になる。

毎月1万円消費すれば20年で240万円になる。

何気ない毎月、毎日の定型的な出費、収入が将来大きな金額になるということだ。

1000万円貯めることの難しさ

お金の大切さを考える上で簡単な指標を提示しよう。

世間的に目安としてよく言われる『貯金1000万円』について考えてみよう。

毎月1万円貯めれば20年で240万になるならば、毎月4万円貯めれば20年でおおむね1000万円になる。

たった4万円貯めればよいのだからそれほど難しいことではないような気がする。

しかし、期間が20年であることに注意しなければならない。

毎月4万円家計に黒字を出し、それを20年続けなければならない。

ただ4万円収入があればよいわけではないのだ。

生活をしながら毎月4万円貯めてそれを20年続けるのだ。

当然それなりの仕事に就かなければならない。

そして収入を得るためにはたいていの場合筆舌に尽くしがたい継続的な努力をしなければならない。

私は漫画を読むのが好きだが、ある漫画に1000万円貯めることの難しさを説いた演説がある。

知っている人は知っているだろう。

想像してみろ いわゆるレールの上を行く男たちの人生を
おまえらのようにボォーッとしちゃいないぞ…!
小学中学と塾通いをし… 常に成績はクラスのトップクラス
有名中学 有名進学校と 受験戦争のコマを進め 一流大学に入る…
入って3年もすれば 今度は就職戦争… 頭を下げ
会社から会社を歩き回り 足を棒にしてやっと取る内定……
やっと入る一流企業… これが一つのゴールだが……
ホッとするのも束の間 すぐ気が付く レースがまだまだ終わってないことを…
今度は出世競争… まだまだ自制していかねばならぬ…!
ギャンブルにも 酒にも女にも溺れず 仕事を第一に考え
ゲスな上司にへつらい 取り引き先にはおべっか 遅れず サボらず ミスもせず…
毎日律儀に 定時に会社に通い 残業をし ひどいスケジュールの出張もこなし…
時期が来れば単身赴任… 夏休みは数日… そんな生活を10余年続けて
気が付けばもう若くない 30台半ば・・・40
そういう年になって やっと蓄えられる預金高が… 1千 2千万という金なんだ…
わかるか…?
2千万は大金… 大金なんだ……!

誇張かもしれないが、それほど的外れなことは言っていない。

1000万円貯めるということはそれなりの我慢を長期間強いられるということには変わりないのだ。

1000万円失うことの簡単さ

1000万円貯めることの大変さが伝わったことと思う。

しかし、1000万円失うことは簡単だ。車や家など大きな買い物をしなくとも、毎月愚かな出費を続ければ20年で簡単に1000万円という金を失うことができる。

毎月4万円出費し続ければその分の出費だけで20年でおおよそ1000万円失うことができる。

これはとても簡単なことだ。

大して続きもしないスポーツジムの会費を毎月7千円、生命保険に1万円余分に入り続け、スマホ代を毎月家族で1万円余分に払い、楽しくもない付き合い飲みやママ友会に毎月1万円費やせば簡単に手が届くだろう。何も努力する必要などない。今すぐ毎月出費すると決めればこれらは簡単に実現することができるだろう。

1000万円貯めることの難しさが分かったら、1000万円失うような行為をすぐやめなければならない

1000万円貯めるのは難しいことだが、1000万円失うことは簡単だ。

しかしこれは裏を返せば多くの人が1000万円を失うような行為をしていて、そのような行為をやめれば1000万円貯めるのはそれほど難しいことではないということだ。

キャベツを10円値切ること以前に、毎月の大きな出費を見直すだけであなたは20年もすれば大金がたまっていることになる。

逆に無駄な出費を放置すれば、あなたは20年後には失ったものの大きさに気づくことになるだろう。

キャベツを値切ることと同じくらいの情熱を注ぎ、無駄な出費を減らすための勉強を今すぐ始めればよい。

生命保険、車の維持費、通信費(スマホ代とかネット代とか)、くだらない交際費、ちょっと考えただけでも削れるところなどいくらでもある。