個人年金保険料控除と個人型確定拠出年金(iDeCo)の掛金による控除はどちらも有効な資産運用方法だ。
どちらの控除も受け大きく節税しようというあなたは金持ちになる才能がある。少なくとも勉強と行動を怠らない尊敬すべき人だ。
そこで気になるのが個人年金保険料控除とiDeCoの掛金による控除はどちらも併用して控除をうけられるのかということだ。
個人年金保険料控除とiDecoの両方を併用して控除を受けることができる
社会保障や税金は制度上色々な部分が重複しうる。『Aを適用した場合、Bは受けられない』などという制度はたくさんある。
目聡い人は『どちらも年金の準備なのだから個人年金保険料控除とiDeCoの掛金による控除もどっちかを受けたらもう片方は受けられないのでは?』などと心配しても不思議ではない。
所得控除の種類は分類の仕方にもよるが軽く10種類は超える。
その中に生命保険料控除と小規模企業共済等掛金控除(何回覚えてもうろ覚えで名前を確認してしまう)という種類がある。
もちろんこの2つの控除は完全に別枠であるので、生命保険料控除を受けた人が小規模企業共済等掛金控除を受けられないということもない。
そして、個人年金保険料控除は生命保険料控除の一部であり、iDeCoの掛金控除は小規模企業共済等掛金控除の枠になる。
よって、個人年金保険料控除とiDeCoの掛金控除は併用して受けられるということになる。
個人年金保険料控除よりはiDeCoの掛金控除のほうがたいていの場合有利
iDeCoの掛金による所得控除は上限までならその掛金全額が所得控除の対象になるのに対して、個人年金保険料控除の場合は掛金の全額ではない。同じ年間8万円(個人年金保険料控除は掛金8万円が所得控除の対象になる上限)の掛金でも節税効果が異なるということだ。
個人年金保険料控除では年間8万円の掛金に対して所得控除額は4万円だが、iDeCoに年間8万円の掛金を出したなら所得控除額は8万円である。
どうせ同じ金額を払うなら当然節税効果が高いほうがよいので、iDeCoにも個人年金にも加入していない人はまずiDeCoの枠から埋めていくと効率的だ。
iDeCoで元本割れのリスクの少ない商品を選べば、安定した運用をしながら個人年金より大きな所得控除が受けられる。
もちろん余裕のある人はiDeCoの掛金による控除と個人年金保険料控除の枠を使い切るように加入してもよい。
自営業者ならiDeCoの枠が大きく、それだけの積み立てをiDeCoでするのは大変だが、サラリーマンならiDeCoの枠も最大で月23,000円だ。個人年金保険料控除の控除枠が掛金で年間8万円(月で6667円程度)であることを考えると、サラリーマンなら、個人年金保険料控除とiDeCoの控除枠で受けられる上限が月3万円程度ということになる。月3万円の貯蓄ならしている人もかなりの数になるだろう。
何気なく銀行預金するくらいなら所得控除を受けられる『iDeCo+個人年金保険』を利用するのが賢いやり方だ。
年間で約36万円の所得控除はかなり大きい。所得税率が20%程度の人なら、税金が7万円ほど減る計算になる。
あなたもiDeCo+個人年金保険の加入を検討してみてはどうだろうか。ほかにも個人年金保険料控除について知りたい人は『ここを読めば個人年金保険料控除についてなんでもわかる』を参照してほしい。