個人年金保険のずるい選び方!メリットを最大にして加入しよう!

当記事はメインコンテンツ『毎月の保険料を2万5千円減らし金持ちになる生命保険の選び方』の中の一つのコンテンツ『個人年金保険の選び方』である。メインコンテンツを冒頭から読んでいない人は『毎月の保険料を2万円減らし金持ちになる生命保険の選び方』をまず参照することを推奨する。私が作成した『生命保険加入エクセルチェック表』を使うことが前提となっているからだ。

1  当記事『個人年金保険の選び方』の構成

チェック表上では『老後の備え』の『年金保険』の部分の話を進めていく。

他の保険種類と同様に当記事では以下の構成で解説を進める。

  1. あなたにとって個人年金保険が必要かどうか
  2. 必要な個人年金保険の保障期間
  3. 必要な個人年金保険の保障金額
  4. 必要な個人年金保険のおおよその予算目安
  5. どの保険会社から個人年金保険を加入するかの候補

個人年金保険ではそれほど選択の余地3は大きくない。あなたが注意すべきこともそれほど多くないので安心してほしい。

2  あなたにとって個人年金保険が必要かどうか

個人年金保険はあなたにとって必要な商品だろうか。

当サイトでは『必要なものを必要なだけ最小限で』が金融商品に関わるうえでの基本理念としている。

まず個人年金保険はなんのために入るのか考えてみよう。

目的は主に2つに大別される。

  1. 老後の生活資金のため貯蓄として個人年金保険を利用する
  2. 個人年金保険料控除という所得控除を受けるために個人年金保険を利用する

これら2つの目的を併用することも一般的だ。

2-1 老後の生活保障のために個人年金保険である必要はある?

さて、老後の生活資金の備えとして個人年金保険に加入する必要はあるだろうか。

もちろん老後のための蓄えを計画することは必須だ。『人生100年時代』もあながち大げさでなくなってきた現代では働く期間と同等の期間の老後生活を送ることもありうる。

ここで問題にしたいのは、老後の生活資金の備えを『わざわざ個人年金保険でやる意味があるのか』ということだ。

個人年金保険は利率が特段他の金融商品に比べて有利というわけではない。個人年金保険が20年、30年という長期の契約であることを考えると、長期間の運用であれば他にもっと有利な投資方法は存在する。個人年金保険は長期間の契約であることでメリットどころかデメリットの方が多い。

株式などは短期間の投資ではどうしても切った張ったのギャンブル性が高いが、長期間の運用であれば相場の変動を気にせず運用することができる。(有名なドルコスト平均法による運用)

もう少し変動の少ない金融商品でも、公社債投資信託などリスクの少ない投資信託という選択肢もありうる。

とりたてて特徴がない個人年金保険に加入するのはむしろデメリットばかり増やすことになる。

個人年金保険のデメリットについては『個人年金保険に入ることのデメリットって知ってる?』を参照してほしい。

貯めたり増やしたりするのはどちらかというと銀行や証券会社の方が得意で、幅広く選択肢があるということを忘れてはいけない。長期投資なら個人年金保険などよりほかの金融商品をまず勉強し検討すべきだと思う。

2-2 個人年金保険料控除は他の金融商品にない個人年金保険独自のメリット

ここまでの話では『個人年金保険は不要』という結論になってしまうが、個人年金保険には他の金融商品にはないメリットがあり、それが『個人年金保険料控除』だ。

個人年金保険料控除は一般の生命保険料控除とは別枠で所得控除が受けられる、個人年金保険独自のメリットだ。

個人年金保険のメリットについては『個人年金保険料控除を受けることのメリットをわかりやすく解説しよう』を読んでほしい。

個人年金保険料控除目当てに個人年金保険に入るのは有効な投資方法と言える。『他ではできない』ということにわざわざ加入する意味があるのだ。

個人年金保険料控除が効く部分だけ加入することで、個人年金保険がもつデメリットを抑え、最大限メリットを享受することができる。

後述するが、私はこの観点でのみ個人年金保険に加入をおすすめしている。

個人年金保険料控除を目当てに個人年金保険に加入して、それは老後生活資金の備えの一部分として考えればよい。

個人年金保険に加入するときは、第一に個人年金保険料控除目当てで、老後生活資金の備えと考えるのは副次的な効果と思えばよい。

2-3 外貨建て個人年金保険は完全不要

いかに、個人年金保険料控除が個人年金保険独自のメリットだろうと、外貨建ての商品に加入するのはおすすめしない。

それは外貨建て保険全般が非効率で損する商品だからだ。概要だけ言えば保険会社や販売会社に流れる手数料が大きいからだ。

詳しくは『賢い人が外貨建て個人年金保険なんて不要だと考える理由』を参照するとよい。

2-まとめ

以上の話を総合すると、個人年金保険が必要かどうかは老後生活資金の準備として必要かどうかではなく、個人年金保険料控除を受けたいかどうか。またその予算をねん出できるかどうかだけで決めるとよい。

老後生活資金の準備はせっかく長期間になるのだから長期間運用することのメリットが大きい金融商品を検討するほうがよい。

個人年金保険は長期間であることのデメリットが大きい。

3 必要な個人年金保険の保障期間

個人年金保険での保障期間とは要するにいつから年金を受け取るかということと、何年受け取るかということだ。

保険料払込期間中は、個人年金保険に特段保障などない。被保険者が亡くなった場合にそれまで払った保険料相当額程度が死亡保険金受取人に戻ってくるだけだ。

個人年金保険料控除を受ける目的で個人年金に加入するなら、控除を受けるための条件を満たすように加入すればよい。

個人年金保険料控除を受ける条件の詳細は『個人年金保険料控除を受けるための条件について徹底解説』を読んでほしい。

控除を受けるためには、最低限、年金受取開始年齢が60歳以降であること、年金受取期間が10年以上であるか、終身であることだ。

個人年金保険料控除を受けるだけの掛け金でも老後の生活保障の一部にするなら、終身年金を勧める。(終身年金があるところは限られているが・・・)

ただし、個人年金保険料控除を満額受けるだけの保険料額は月6667円だ(これについての詳細は『4 必要な個人年金保険の保障金額』で解説する)。

月6667円程度の保険料では終身年金を契約できる最低金額に届かない可能性もある。

そのため、個人年金保険料控除目的なら10年確定年金でもよいだろう。

4 必要な個人年金保険の保障金額

『2  あなたにとって個人年金保険が必要かどうか』でも解説したが、個人年金保険は入るなら控除が効く部分だけ加入するのが有効で、それを超える加入に意味はないどころかデメリットが増えるばかりだ。

よって個人年金保険料控除が最大で受けられるギリギリの金額で加入すればよい。

それは毎月の掛け金で『6667円』となる。実際には6667円の個人年金保険に加入するのは難しいので7000円弱くらいを目指すとよいだろう。

『個人年金保険には毎月7000円弱入るのが最適である理由』を読めば、なぜ『個人年金保険は6667円が最も効率的なのか』がわかる。

毎月6667円の個人年金保険に入ると決まれば、年金額は保険料払込期間や年金受取期間に応じて決まる。

平たく言えば、掛け金の大きさこそ大事であって、個人年金保険料控除を受ける条件を満たせば、年金額とかはそれほど重要ではない。

何度も言うが、老後生活資金の準備は他の金融商品で行うほうがよい。

すでに1万円とか2万円とか大きく個人年金保険に入っている人がわざわざ解約する必要はないが、個人年金保険を解約して他の投資をしてみたい人は今解約するといくら戻ってくるのか確認すること。

5 必要な個人年金保険のおおよその予算目安

これまでの話で、必要な予算は6667円だとわかる。

実際には7000円弱といったところだ。それ以上の加入はデメリットばかりだ。

また個人年金保険は最低加入金額が保険会社によって定められていて、毎月の保険料ベースだと5000円が加減であることが多い。

よってせいぜい予算としては5000円~7000円程度の範囲で決めるしか選択肢がないということだ。

すでに年金保険に入っている場合は、個人年金保険料控除の枠がすでに使い切られていることが普通なので、これ以上加入する意味はもちろんない。

6 どの保険会社から個人年金保険を加入するかの候補

最後に保険会社選びでチェック表が埋まるだろう。

保険会社選びの観点は下記2点のどちらをとるかだ。

  1. 貯蓄性商品なので倒産リスクに備え財務内容に余裕がある保険会社
  2. 貯蓄性商品なので少しでも利率が有利な保険会社

①の財務内容をとるならなるべく大手の保険会社で入るとよい。まあ、今どきどこの保険会社も保守的な運営をしているのでどの保険会社でもそれほど倒産リスクに差はない。ソルベンシーマージン比率など参考にしてもよいだろう。

②の利率の有利さをとるなら保険会社間での比較が必要になる。複数の保険会社の見積りが必要になるわけだが、いちいち個別の保険会社のセールスと面談して見積りを要求するのは面倒すぎるだろう。複数の保険会社の商品に精通しているFPに相談するのが最も手っ取り早い。そのような場合は『個人年金保険の利率比較ならFPに相談するのが最も簡単』を参考にするとよいだろう。

7  個人年金保険のチェック表が完成したら次にすること

個人年金保険のエクセルチェック表は完成しただろう。

次にあなたがやることは2パターンあるだろう。

7 – 1 個人年金保険以外の他の保険種類についても選び方を知りエクセルチェックする場合

これまで個人年金保険についてエクセルチェック表を埋めてきた。他の保険種類についても選び方を知りたい人は解説を読み、ほかの保険種類についてもエクセルチェック表を作成しよう。

今回の個人年金保険はハッキリ言って選ぶほどの余地がない。選ぶのは簡単だった。

他の保険種類も同様だ。不要な理由が手厚いのでエクセルチェック表に『不要』とチェックするだけの簡単な作業になるだろう。

唯一例外は死亡保険くらいだ。

他の保険商品についても選び方を知りたい人は『毎月の保険料を2万円減らし金持ちになる生命保険の選び方』を参照してほしい。

7 – 2  今回は個人年金保険しか検討していない場合

この記事にたどり着いた人の中には、『個人年金保険しか検討していない』という人も多いだろう。そのような人はエクセルチェック表を参考に実際に申し込む作業を進めていく必要がある。

しかし実際に個人年金保険の加入申し込みをすると言っても、やり方を間違えると『個人年金以外にも加入していた』『なんかすごい保険料支払わされてるんだけど・・・』なんてことになりかねない。

より完璧な保険加入を実現するために、申し込み手続き進めたり、生命保険セールスを呼びつける前に必ず『生命保険についてきちんと学んだあなたが確実に最適な保険に申し込む方法』を読んでほしい。