個人年金保険は他の金融商品に比べて有利な点がある。
それはあなたの所得税や住民税を節税しながら貯蓄できるという点だ。
他の金融商品はただ貯めるだけだ(もちろんリスクとリターンの変動はあるが)。
個人年金保険に加入することのメリットは『個人年金保険料控除を受けることのメリットをわかりやすく解説しよう』にまとめてある。
一方で個人年金保険はデメリットも存在している。
長期の契約であり融通が利かないというのがその主な理由だ。掛け金全部が長期の契約に拘束されることは覚えてほしい。
個人年金保険に加入することのデメリットについては下記記事を参照してほしい。個人年金に加入するときに盲点になりやすい観点だ。デメリットに関しては必ず『個人年金保険に入ることのデメリットって知ってる?』を一読してほしい。
このように(金融商品はみなそうだが)メリットとデメリットが存在する個人年金保険をどのように加入するのが一番よいのか。
私が推奨する個人年金保険の加入の仕方は、月額7000円弱の個人年金に加入することだ。
厳密には6667円であるとなおよい。
個人年金保険は7000円弱入るのが最も賢いやり方である理由
個人年金保険が他の金融商品に比べて有利な点が、支払った保険料に応じて所得控除の制度があることだ。
毎年の個人年金保険での払込保険料が8万円(月額6667円)のとき、その所得控除額が最大値になる。
所得控除額は年間払込保険料の金額に応じて下記の表で計算される。
※個人年金保険の年間払込保険料と控除額の金額
年間の支払保険料等 | 控除額 |
20,000円以下 | 支払保険料等の全額 |
20,000円~40,000円 | 支払保険料等÷2+10,000円 |
40,000円~80,000円 | 支払保険料等÷4+20,000円 |
80,000円~ | 一律40,000円 |
※個人年金保険の年間払込保険料と控除額の金額のイメージ
表からもグラフからもわかる通り、年間の払込保険料が8万円を超えると、所得控除額はそれ以上増えないことが分かる。
『個人年金保険料控除を受ける』という意味では年間保険料で8万円(月額で6,667円)を超えて個人年金保険に加入することに意味はない。
8万円以上はその他の金融商品と同じ、ただ貯めるだけの商品になり独自性が失われる。
一方で、個人年金保険に加入することで起こるデメリットは掛け金全体に対してかかる。
個人年金保険独自のメリットは年間保険料8万円のとき上限でそれ以上は増えないのに対し、デメリットは掛け金が増えれば増えるほど大きくなる。
それなら、年間保険料8万円の個人年金保険に加入するのが最も効率的な個人年金保険の入り方というものだろう。
月額6667円の個人年金保険に入るのは難しいから7000円弱の掛け金の契約で妥協しよう
最適加入額が6667円ならばまさにその金額の個人年金保険に入りたいところだ。
一般に生命保険会社が販売する個人年金保険は、年金額ベースで契約する場合と掛け金ベースで契約する2パターンだ。
『年金額30万円で契約する』『毎月の掛け金5000円で契約する』などといった場合だ。
おそらくたいていの生命保険会社は毎月6667円の個人年金保険を設定できないだろう。
保険料ベースで契約する場合は500円刻みだったり1000円刻みだったりするだろう。
よって7000円の個人年金保険に入るのが保険料ベースで契約する最も適切な個人年金保険ということになる。
年金額ベースで見積もりをとり、最も6667円に近い契約で個人年金保険に加入すれば、もう少し近づけられるか。
個人年金保険には契約最低額があるので小さすぎる個人年金保険には加入できない
どの保険会社、どの保険商品でも契約するための最低金額が設定されている。
年金保険であれば、年金額ベースで24万円・保険料ベースで月5000円が最低額であるのが一例だ。
毎月6667円という掛け金の個人年金保険は保険会社の括りではかなり小さい契約であると言ってもよい。
先の表を見てもわかる通り個人年金保険料控除の効果が最も高いのは掛け金にして年間2万円までの部分だ。この部分は掛け金の全額が所得控除になる。
効率的には年間2万円(毎月1667円)の個人年金保険に入る選択肢も考えられるが、おそらく契約最低金額を下回るだろう。
よって事実上、個人年金保険に入るなら毎月の掛け金5000円~7000円程度の間が検討価値がある予算となるだろう。
もちろん最もおすすめなのは毎月6667円だ。
個人年金保険に関してはこの記事の観点に納得してしまえば他に選択の余地などない。
個人年金保険を選ぶにおいてあと気になることは、『どこの保険会社から加入するか』くらいだ。
個人年金保険の選び方に戻る人は『個人年金保険のずるい選び方!メリットを最大にして加入しよう!』を参照のこと。