出産したら今すぐ生命保険を見直ししなければいけない!

女性であれば『出産、本当にお疲れ様でした』、男性であれば『さあ!あなたの責任は増々重要なものになりました!』と言える。

まだ出産していないが、出産間近な人たちもそう遠くない未来だ。

さて、生命保険の見直しだ!

出産前後でやることはいっぱい!これからの育児もやることいっぱい!とても生命保険を見直しする余裕などないことはわかっている。
しかし!それでも!私は生命保険の専門家としてこの出産時は生命保険の加入・見直しの必要性を強く訴えている。私は普段は『生命保険に入り過ぎだ!解約しろ!』『生命保険なんて3000円で十分だ!』『生命保険に加入した人はたいてい生命保険セールスに騙された人だ!』とか過激な論調で、生命保険を見直せ!減らせ!と叫んでいる。しかし唯一生命保険を増やせと主張するのが出産時だ。

他の生命保険加入タイミングと言えば子連れの人と結婚したとか、養子をとったとか、要するに子供が新たにできたタイミングで見直しするくらいだ。あとのタイミングは全て間違いだ。就職?結婚?なんとなくセールスにすすめられた?全部間違いだ!間違えてすでに加入してしまった人も出産を機に適正な生命保険に見直そう。

なぜ出産するときに生命保険を見直さなければならないのか

出産するとすなわちあなたに子供ができる。もうこれだけで生命保険に入る理由は十分だ。子供は自分でお金を稼ぐことができない。一世を風靡した芸能人の芦田愛菜さんにしろ0歳のときにはお金を稼いでいなかっただろう。そして普通は親に養われなくとも済むのは大人になって就職するまでだ。

子供を養うことと生命保険になんの関係が?もちろんあなたやあなたのパートナーが万が一亡くなれば家族の収入が減り子供は自分で稼げないのだから家族は経済的に危機になる。それを助けてくれるのが生命保険だ。

当たり前の話なのだが、この当たり前の目的以外で生命保険に不用意に加入する人が多いからわざわざ指摘しているのだ。それ以外の目的で生命保険に加入することは本来はほとんどない。

子供が生まれた→生命保険はすぐに見直し、というのが分かっただろう。逆に見直ししないようでは親としての責任を放棄しているとしか思えない。

出産したら生命保険をどのように見直せばよいのか

見直しすると言ってもそれほど難しいことはない。死亡保険だけはしっかり考えなければならないが、医療保険やがん保険、その他はそれほど考えることはないからだ。

出産したら死亡保険はこう見直しする

出産したらすなわちあなたの一番下の子供は0歳ということだ。とすれば入るべき死亡保険のプランは金額・期間までほぼ固まる。

典型的な例としては現在の生活費が30万円かかっているとしたら、保険金額20万円の収入保障保険に期間22年で加入すればよい。生活費が40万円(若干余裕があるプランだが保険料は上がる)ならば、保険金額28万円の収入保障保険に期間22年で加入すればよい。以下その理由を説明しよう。

まずは死亡保険だ。出産直後あなたの末子年齢は0歳だ。生命保険はいつまで必要か。もちろん子供が就職するまでだ。一般的には末子年齢が22歳になるまで死亡保険の期間を設定する。つまり出産直後に見直しするなら死亡保険の期間は22年だ。

次に金額はいくら必要か。

あなたの月の生活費はいくらだろうか。子供が増えた後の生活費も想定してほしい。若干余裕のある設定がよいだろう。月30万円あれば十分生活していけるだろうか。40万円ならまず大丈夫だろう。それ以上月の生活費がかかる人は小金持ち以上だ。私に言わせれば浪費家かよほど子供が多いかだ。

仮に生活費が30万円かかっているとしよう。もし生活費が30万円かかるならそれを22年分生命保険で準備しようと思ったら7920万円の生命保険に入らなければならない。最も安い保険会社でも8000万円の生命保険に入ればそれだけで保険料は月10000円を超えるだろう。高い保険会社を掴まされれば30000円を超えるかもしれない。もちろんこんな死亡保険は論外だ。

少し考えればわかることだが、子供が22歳になるまで生命保険が必要なら必要な期間の後ろは決まっている。一方で加入者が亡くなる年齢はいつになるかわからない。子供が0歳の時に亡くなれば22年分の生活費を生命保険で賄わなければならないが、子供が20歳の時に亡くなれば必要なのは2年分だけだ。必要な保障額はだんだん減っていき最終的には0になる。

これに合わせて加入者が死亡したときから子供が22歳になるまで保険金を毎月給料代わりにくれる死亡保険に入るのが現在では一般的だ。なんとなく8000万円の死亡保険に入るより、加入者が死亡した時から子供が22歳になるまで毎月30万円くれる死亡保険にはいるだけで、保険料は4割から5割削減できる。このような死亡保険を収入保障保険と呼ぶので覚えておこう。

さらに毎月の生活費が30万円だとしても、加入者が亡くなった際には大人一人分の生活費が減ることになる。一般的には典型的な大人2人子供2人の家族で両親どちらかが亡くなった際には生活費はそれまでの7割になると計算する。それまで生活費が30万円かかっていたなら21万円と計算する。さらに国の年金制度から遺族年金・亡くなった人のパートナーの収入を考慮すれば生命保険で準備すべき金額はさらに減る。

まあ、生活費の保障なのであまりきつきつに考えるのはよくない。典型的なFPは死亡保険の金額は『現在の毎月の生活費×0.7-遺族年金額ー妻(夫)の収入』で考えることを推奨する。しかし片親が亡くなればそのパートナーは今まで通り働けなくなるかもしれないし、遺族年金は制度自体が複雑で正確な金額を出すのは難しい。よって私としては必要な死亡保障額は『現在の毎月の生活費×0.7』でよい。遺族年金やパートナーの収入は余裕資金として貯蓄するくらいが危険が少ないと思う。

もちろん、遺族年金等も考慮して死亡保障額を決めれば保険料はより節約できるが、保険会社選びも並行して間違えなければそれほど大きな負担にはならない。

先の保険金額20万円、期間22年プランなら年齢にもよるが2500円から4000円くらいで加入できる。保険金額28万円プランならその1.4倍程度の保険料となる。逆に言えばこの保険料を超えるようではプランを間違えたか、保険会社選びが間違っているか、あるいは両方だ。

出産したら医療保険はこう見直しする

女性であれば出産時に医療保険にお世話になったかもしれない。出産時に帝王切開等なんらかの理由で医療保険の給付金が出たのかもしれない。きっと『医療保険があってちょっと得をした』と思っていることだろう。勘違いしてはいけない。基本的に医療保険は役に立たない。妊娠出産時は医療保険の給付が最も多いことの一つだ。若いうちは保険料が安い割には妊娠・出産時に給付が多いので医療保険は役に立ちやすい。しかしそれ以外の場面ではほとんど役に立たない。

医療保険は基本的に不要な理由がたくさんあるので『注目!医療保険が不要である7つの理由!』を参考にしてほしい。

妊娠・出産時に医療保険が役に立った人も、出産したら医療保険は解約しよう。もちろん新たに入りなおす必要もない。

医療保険編の最後として強く警告しておく。医療保険に入ればそれだけ貧乏になるだけだ。

出産したらがん保険、成人病保険等はこう見直しする

がん保険や成人病保険、特定疾病保険など、特定の病気のときに給付金を出す保険がある。これらは医療保険の上乗せとして利用される。要するに医療保険だ。特別な病気に備えるものとはいえ基本的に必要ない理由は医療保険と変わりない。つまり必要ないのだ。

出産時かどうかは特に関係ない。他の不要な保険ごと解約だ。

出産したら死亡保険を見直し他の生命保険は解約する

結局いつもの結論になってしまった。

出産したら死亡保険を増やすことも考えながら見直しするが、他の生命保険は不要だから解約するのだ。

最終的に出産直後に当記事で案内したとおりに生命保険を見直したら、死亡保険の保険料だけ4000円程度払うようになるだろう。もちろん極端なことを言っているのはわかる。『医療保険やがん保険がなくて本当に大丈夫なの?』と思われても仕方ない。でもしょうがない。いらないのだから。そして世間一般の感覚からずれているのも承知している。まあ生命保険の専門家ならば、世間の人は無駄な生命保険に加入している人ばかりだとみんな分かっている。

高い確率であなたの今加入している生命保険は無駄が多いだろう。一度FPに相談することをおすすめする。

少なくともあなたは始めに生命保険に加入したとき、『死亡保険はいつ必要なのか、いくら必要なのか、いつまで必要なのか』を知らなかったはずだ。知らないのにいったいどうして適正な生命保険だと言えるのだろうか。医療保険にしても同様だ。

あなたは今出産前後という、生命保険セールスにとっては格好のお客様という立場にある。ここで見直し方を間違えるととんでもない保険料の生命保険に加入させられ、世間はそんなものだと思わされてしまうだろう。
一方、FPに相談すれば当記事で書いたようなことをより詳しく聞くことができ、結果見直ししても保険料を大きく削ることができるだろう。決して、今加入している生命保険会社の担当のセールスなどに相談してはいけない。『生命保険を見直し保険料を10,000円節約したい人は他にいますか?それも簡単に!』を参考にFPに相談して生命保険の見直しをすることを強くおすすめする。