警告する。世の中のありきたりな意見ほど役に立たない。
生命保険を見直すタイミング?
典型的には5つの見直しタイミングがあるが、それは『まともな生命保険の入り方をしている人』が限定だ。そしてそんな人はほとんどいない。
世間のありきたりな情報は最も大切な生命保険の見直しのタイミングを一つ忘れている。
ほとんとの人にとって最も大事な生命保険を見直すタイミングは、『今すぐ』だ。
あなたが生命保険を今すぐ見直さなければならない理由
生命保険の『見直し』ということは、あなたはすでに加入している生命保険があって見直しを検討しているということだ。
つまり、あなたはすでに生命保険を間違って入っている可能性が高いということだ。
他の理由で見直すタイミングが来た(例えば子供ができたときなど)とき、元から入っている契約が間違っているものだったら、見直し後も間違う可能性は高い。
間違っているとどうなるの?
保険料の無駄払いだ。
したがってあなたは今すぐ生命保険の見直しをする必要があるのだ。
自宅の水道管から盛大に水漏れしているのに、直さない人はいないのと同じだ。
なぜ、あなたがすでに加入している生命保険がすでに間違っていると言えるのか。
あなたは世間一般の人が毎月いくらの生命保険料を支払っているか知っているだろうか。
生命保険文化センターの平成30年度調査によれば、1世帯当たりの年間の生命保険料支払いは平均38.2万円だ。毎月に直すと約32,000円となる。3,200円ではない。
まともなFPであれば32,000円毎月生命保険に支払っていたら誰もが『多すぎる』と判断する。生命保険を売っている生命保険セールスですら内心そう思っている。私が生命保険会社に勤めていている頃でもせいぜい20000円だった。今では10,000円程度(うち個人年金保険6800円程度)しか払っていない。
どうすれば32000円も払えるのか。
死亡保険に4,000円、ちょっと不安な人は就業不能保険に3,000円、ちょっと賢く運用したい人が個人年金保険に7,000円、不要だが百歩譲ってがん保険に2,000円、もっと不要だがもう一万歩ゆずって医療保険に3,000円払っても、19,000円程度だろう。あれか?学資保険だとか個人年金保険などの貯蓄性保険が32,000円のうち27,000円占めているとかだろうか?
それなら理解できる。
そうではない?それならば生命保険の入り方が間違っているのだ。やはり今すぐ見直さなければならない。
まともな生命保険の加入の仕方をしている人が見直すべき5つのタイミング
まともな生命保険の加入の仕方とは何かと言われれば、『本当に必要なものを最小限』加入している状態だ。
生命保険に加入したときにきちんと突き詰めていない人はまず『生命保険を見直し保険料を10,000円節約したい人は他にいますか?それも簡単に!』を参考に『無駄で過剰な部分をきちんと見直す』ことを始めよう。
さて、まともな生命保険の加入の仕方をしている人は普段は生命保険の見直しなど意識しないだろうし、する必要もない。
しかし、あなたの生活や収入、人生に変化が起きたときが生命保険の見直しのタイミングだ。
典型的には以下の5つのタイミングがある。
しかし、どれも等しく重要ではなくここでも世間の情報が全て役に立つわけではないと分かるだろう。
初めて就職したとき
生命保険に加入するタイミングとして多いのが大学など学生を卒業して、新卒で働き始めました!などというタイミングだ。
しかしこれは全く重要なタイミングではない。
生命保険が必要になるタイミングではなく、生命保険に加入させられるタイミングだと思ったほうがよい。
下記記事(新卒入社の子が完璧な生命保険の選び方をしていた件)を見れば理由が分かる。
結婚したとき
さすがに結婚したら生命保険を見直さなければいけないでしょ?と思うならまだまだ甘い!いま加入している契約があるなら今すぐ解約してほしいくらいだ。(関連記事 結婚したら解約する?)
必要になるケースはほとんどない。冷めた目で効率主義的に考えれば結婚しただけでは生命保険に加入するタイミングとは言えない。
今どき夫婦どちらも共働きというのも当たり前になっている。夫婦ともに収入があるのに、片方が亡くなったからといっていったい誰が困るというのか。せいぜいどちらかが病気やケガで働けなくなったときに就業不能保険が必要かどうかという程度だ。どちらかが結婚を機に専業主婦(主夫)になるという前近代的な考えでかつ『私がずっと養う』という考えなら、そのとき初めて生命保険が必要なタイミングになるだろう。今どきそんな余裕のある夫婦はほとんどいない。
つまり、夫婦の情を別とすれば結婚しただけでは生命保険がなくても誰も困らない。
子供ができたとき
これこそ生命保険に加入したり見直したりするべきタイミングだ。初めてできる子供なら初めてそのとき生命保険に加入するのが理想的だし、2人目以降の子供ができたときに見直すべきタイミングだ。子供ができるたびに見直さなければならない。生命保険をほとんど否定する私でも、ここだけは譲れない。
子供は・・・特に生まれたばかりの子供は自分でお金を稼ぐ術を持たないし持てない。芸能人でもなければ小学生、中学生くらいになってもお金を稼げる子供は稀だろう。
そんなとき、家庭の収入の大部分を稼ぐ人が亡くなったり、働けなくなったりしたら家族全員が経済的に困る。ゆえにこの時ばかりは生命保険が必要だ。
子供が独立したとき
生命保険を見直すタイミングとしてはこれも重要だ。
ただし勘違いしてはいけないのは、見直しと言っても『ただ減らすか無くすだけ』の見直しだ。新たな保険に加入することを意味しない。
あなたのすべての子供が独立したとき、もう大きな死亡保障は不要になる。末子年齢が独立する年齢に合わせて生命保険を組むのが最も理想的だが、実際には独立と保険の満期がぴったり一致することはほとんどないだろう。
よって、不要になった生命保険をここで解約するのが、ここでの見直しだ。
『大きな死亡保障は不要になりますから、これからはご自身の医療保障を手厚く』などというのはなんの説得力も根拠もないので耳をかしてはいけない。
定年退職したとき
いったいどういう理由でここで生命保険の見直しが必要になるのかわからないが、世間ではそういわれることが多い。
老後の生活資金のための運用を考えるのだろうか。
それなら生命保険である必要性はないので、銀行でも証券会社でも頼るべきだ。
生命保険会社はあくまで万が一を保障するために存在していて、その他の用事はない。
だいたい定年退職する時点で、そこから長期間かけて生命保険で老後資金の準備をするにはあまりにも時間がなさすぎる。
一時払い系の商品なら使えるかもしれないが、それこそ銀行や証券会社の得意分野だ。保険会社に用事はない。
いかなる場合でも見直しをする際に注意すること
今すぐ見直しをする場合でも、上で挙げた1つのタイミングでも、基本的に保障を減らすことが中心になる。
保障を増やすタイミングなのは子供ができたときだけだ。
保障を減らすときに重要なことは、保険加入期間中に病気をしていてこれから保険のお世話になる可能性が高い人は、もちろんその保険を続けることだ。
余命宣告されているような人が、子供が独立したからといって死亡保険を減らすのはありえない。しがみついてでも保険料を払うべきだ。感情的にはアレな言い方だが、経済的には賭けに勝つ確率が高いのにくじを放棄してはいけないということだ。
高血圧だとか、糖尿病だとか、あるいはうつ病など比較的深刻な持病がある人も同様にすでに加入できている医療保険があるなら可能な限り残すべきだ。
がん保険でも、すでにそのがん保険で給付を受けたことがある人(つまりがんにかかったことがある人)は再発に備えてそのがん保険は残しておかなければならない。
生命保険は健康状態が悪ければ契約した後の再加入が難しくなる。
うっかり見直しでそういった重要な保障(今後給付を受ける可能性の高いもの)を無くさないようにしよう。
今すぐ保険を見直さなければいけない人など見直しタイミングになった人はどうやって見直しする?
健康状態の問題は注意を払わなければいけないが、基本的には保険加入が間違っている人(ほとんどの人)は今すぐ生命保険を見直さなければならないし、タイミングが来た人も見直しを実際に検討しなければならない。
では具体的にどのような内容で見直せばよいのか。
ただ見直しをすると言っても保険料が上がってしまうようでは話にならないだろう。
保険の見直しをする場合は基本的に生命保険セールスに頼ってはいけない。保険料が割高な自社商品しか扱えないからだ。
それよりも、保険の適切な加入の仕方まで含めて相談するため、FPに相談することを勧める。
『生命保険を見直し保険料を10,000円節約したい人は他にいますか?それも簡単に!』を参考にFPの無料相談を利用すれば、適切な見直し方法だけでなく大きく保険料を節約できる可能性は高い。毎月の1万円、10年間で100万円を超える支出を節約するためにも、今すぐの行動が必要だ。